研究課題
急性巨核芽球性白血病症例、慢性骨髄性白血病の巨核芽球性急性転化例、ダウン症新生児にみられる一過性骨髄増殖症候群は巨核芽球が増殖する病態である。これらの多数症例を検索したことにより以下のことが明らかとなった。1)急性巨核芽球性白血病例、とくに骨髄線維化を合併しているものではかなりの部分が骨髄芽球の軽度の増加を伴っており、慢性骨髄性白血病の巨核芽球性急性転化例や一過性骨髄増殖症候群と同様に、巨核球系列単独ではなく、3系統に分化する血液幹細胞で異常がおこっている可能性がある。2)巨核芽球の同定に有用な血小板ペルオキシダーゼ活性(PPO活性)は巨核球系のみに特異的ではなく、赤芽球系幼若細胞にも陽性であることが明らかとなった。3)PPO活性がPGH合成酵素と関連しているとの傍証が、本邦第一例のサイクロオキシゲナーゼ欠損症を用いた検討により得られている。
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