1)7種の株化培養細胞に対し、ヘマトポルフィリンを中心とした色素を取り込ませ、レーザ照射をした。その結果、フェオフォーバイドが約10倍の効率で良かった。しかしながら、株化培養細胞の色素取り込みは細胞種によって違いがあり、殺細胞効果もそのため違いがあった。 2)細胞破壊はミトコンドリアから始まるようで、粗面小胞体の変化も初期に起こり、核破壊は遅れてでてきた。これは今回使用した色素の特異性と考えている。 3)レーザ励起顕微鏡による蛍光分布からもこの事実が想定された。 4)フローサイトメトリーによる解析からはレーザー照射効果の予測が可能であった。 5) の手法を幼若化リンパ球に応用し、同様の効果を上げた。 6)YAGレーザによる二光子吸収励起法を開発し、より良いレーザ照射効果を求めた。 7)レーザ照射時の光減衰を検討し、きわめて初期のカーブと後期のカーブに傾きの違いがあることから、この光反応に少くとも二つの経路があることを予測しているが、未だ詳細は分らない。 8)創傷に対するレーザ照射は、アルゴン50例、発光ダイオード28例、半導体レーザ20例行い、いずれも80%強の臨床効果を認めた。 9)この機作を知る上で、波長別効果を動物実験で試みたが差はでなかった。 10)偏光特性の研究を発光ダイオードを用い行ったが、直線偏光と右円偏光で効果があったが、左円偏光では認められなかった。このことはレーザ光の左右円偏光でも同様で、鋭意努力中の研究となった。 11)これらの臨床応用を除痛効果で試み、960症例中80%強の有効率を、半導体、発光ダイオード(直線偏光)で得た。 12)レーザ血管吻合のほか、卵管、尿管、胆管、神経吻合を行い、一部好結果を得た。 13)レーザ脈波計、レーザ色素計を作製し、臨床に供用し、これら機器が従前の機器より優れていることを認め、臨床例の増を心掛けてきた。 14)光と生体の基礎的検討は緒についたばかりである。 株化培養細胞
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