研究分担者 |
藤戸 章 京都府立医科大学, 医学部(泌尿器科学), 助手
中河 裕治 京都府立医科大学, 医学部(泌尿器科学), 助手 (10198046)
内田 睦 京都府立医科大学, 医学部(泌尿器科学), 助手 (70168706)
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 医学部(外科学), 教授 (50079828)
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研究概要 |
駆動体方式爆薬室は発破の際に生じる生成ガスを利用し, 爆薬室に取り付けられた駆動小物体を加速し結石に衝突させ, 結石を破砕しようとするものである. また爆薬室は気密状態のため生成ガスが漏れることはない. これらの条件を満たす爆薬室としてカプセルハンマー型とピンハンマー型爆薬室を試作し結石破砕力を検討した結果, ピンハンマー型が優れていた. 尿管結石や胆道結石の強度は65kg/cm^2以下で低強度結石に分類された. 駆動体方式爆薬室の設計1)爆薬としてトリミネートの粉薬を使用した時, 最も単純な構造で最大の破砕力が得られた. 2)駆動小物体の駆動距離を3.5-4.0mmにする時, 衝撃荷重は最大となり, 平均速度は120m/secであった. 3)駆動小物体の先端部分は平坦な形状にした時, 破砕力が最大となった. 4)爆薬室により長径13mmまでの結石が完全破砕されたが, 駆動小物体の半径や運エネルギーを変化させても結石破砕力はあまり変わらなかった. 副損傷の検討1)尿管, 胆嚢および胆管の引張り強度はほぼ同じであったが, 膀胱に比べ強度が高く, 微小発破のより良い適応材料であった. 2)犬尿管に加えられた1mmの損傷は3日後には完全に修復された. 3)ブタ尿管内の発破実験では長径11mmの結石が完全紛砕され, 尿管損傷は認められなかった. 実用型駆動体方式爆薬室は強化ステンレス鋼を用い, 長さ31mm, 直径2.6mmの爆薬室先端を狭小化し, 駆動小物体には0リングを装着し, 爆薬はトリシネート3mgを使用した. また爆薬室誘導力テーテルやシースを開発した. 臨床応用:1988年3月までに48例の腎尿管結石症患者に結石破砕術を施行し, 結石破砕に成功したのが31例(65%), そのうち治療したのが17例(55%)であった. 合併症として尿管外溢流が8例(17%)に認められた. 今後, 破砕率や治療率の向上に努め, 胆道系の結石に対しても臨床応用を行いたい.
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