研究分担者 |
山川 洋右 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40148284)
柴田 和男 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20145733)
橋本 隆彦 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (00080094)
水野 武郎 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (50080156)
矢内原 昇 静岡薬科大学, 薬学部, 教授 (80046250)
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研究概要 |
1.液相法にて合成したSTF(Serum Thymic Factor)をカルボジイミドの作用でBSA(Bovine Serum Albunin)と結合させたSTF-BSAconjugateを免疫抗原として、家兎に接種し、家兎抗合成STF血清を作成した。又、同様に合成されたる-HPP〔Gln´〕-STFを【^(125)I】標識化し、標識抗原とした。我々の確立したラジオイムノアッセイ系は高感度であり、0.6pg/tubeの超微量のIR-STF(immunoreactive STF)を測定できる感度を有する。 2.ブタ血漿及びブタ胸腺・肝・腎・脾の1R-STF活性を測定した。血漿及び胸腺・脾にはほぼ同量IR-STF活性を認めたが、肝・腎には胸腺の約3倍のIR-STF活性を認めた。免疫組織化学的研究においてSTFに胸腺特異性を支持する報告は多いが、本研究においてSTFが胸腺に特異的に存在し、胸腺のみから分泌されるとは言えないことを示した。 3.肝・腎のIR-STFは、ゲルろ過及びHPLCにより、分子量約7,000の大分子型IR-STFを主成分としており、この大分子型IR-STFは胸腺・脾にも存在した。肝・腎の大分子型IR-STFをトリプシン処理することにより、標準STFに極めて近い分子量の物質に分解されたことより、この分子量約7,000の大分子型IR-STFはPro-STFと考えられる。 4.ヒト血漿中にもIR-STF活性を認めたが、加齢に伴う低下傾向は認められなかった。肝・腎には胸腺の数倍、脾には約30倍、胸腺腫には約10倍のIR-STF活性を認めた。これらの意義及び大分子型IR-STF存在の有無については現在検討中である。 5.STF含有細胞と関連づけるため、5種のレクチン、即ちPNA,ConA,DEA1,SBA,WGAの結合能からの胸腺上皮細胞の亜分類を試みた結果、PNAは紡鍾型、SBAは多核型上皮に特異性を示した。
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