研究概要 |
1)Serwm Thymic Factor(STF)に特異的なRadioimmuroassey系を用い, ヒト胸腺, 胸腺腫, 肝, 腎, 脾の熱時1M酢酸抽出物中のIRーSTF(Immunureactive STF)を測定した. このすべての組織中にIRーSTFを認め, 腎には胸腺とほぼ同量の, 胸腺組肝, 脾には胸腺の数倍のIRーSTFを認めた. 免疫組織化学的検索によりSTFの, 胸腺特異性が報告されているが, 本研究において, ヒトの場合もブタと同様にSTFが胸腺に特異的に存在しているということは否定された. 2)正常胸腺抽出物中のIRーSTFにつき検討を加えると, 加令とともに低下し, 50才を過ぎるとほぼ測定不能であった. 胸腺腫抽出物中のIRーSTFには年令との関係は認められなかった. 胸腺腫を上皮細胞の形態によりPolygonal celltype, Spindle cell type, Mixed cell typeの3群に分類すると, この3群間にIRーSTF含量の差は認められなかった. 又, リンパ球の多寡によりabsint,scant,moderete,predominantの4群に分類すること, この4群間にも差が認められなかった. 3)胸腺腫組織を10%FCS加RPMI1640液中にて培養, 培養2日目の上清を採取し, それらのIRーSTF活制を測定すると, 一部の検体にIRーSTFを低レベルながら認めた. 4)ヒト肝, 胸腺腫中のIRーSTFをゲルろ過にて分析すると, 分子量7,000〜6,000の大分子型IRーSTFを主成分としており, 分子量857の本来のSTFの大きさでは全く存在しないか又は極少量しか存在していなかった. 5)合成Thymosin α_1をBovin Serwm Albumin(BSA)及びAscaris Proteinとconyingateしたもの又は, Polyvinyl Pyrrolidone(PVP)に吸着させたものの3種をそれぞれ, 家兎に免疫したが, 抗合成thymosin α_1抗体の生成は認められなかった. 現在, 合成Thymosi清 α_1をKeyhole limpt hemocyanin(KLH)とcomjngateしたものを家兎及びモルモットに免疫中である.
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