• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1985 年度 実績報告書

超音波心筋刺激装置の心機能増強に関する基礎的・臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60440065
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

新井 達太  東京慈恵会医科大学, 医, 教授 (60056471)

キーワード超音波心筋刺激 / 心機能 / 心筋保護 / 再潅流
研究概要

1.Working heart(Neely model)法による摘出ラット心を用いて、【◯!1】ラット剔出心潅流法を用いて虚血を作製し、10分後に好気的状態で再潅流を行った場合、超音波を照射した群は照射しない群に比較して有意に良好な心機能の改善を認めcororary flow中のCPK値も低値を示した。しかし、心筋内ATPには両群間に差は認めなかった。これらの事は超音波照射により虚血による心筋障害が抑制され、これが再潅流後の心機能改善に関与した事が推測された。
【◯!2】上記モデルを用い、心筋保護液を使用して心停止とし、この間に超音波照射を行うと再潅流後の心機能改善を認めた。すなわち、好気的状態だけでなく嫌気的状態においても超音波照射の有効性が確認された。【◯!3】心筋保護液中にカルシウム拮抗剤であるベラパミールを加え、これを使用した心停止状態の心筋に超音波照射を行い、超音波が心筋内のカルシウム運搬に作用する事が心機能増強作用の要因である。との仮説に検討を加えた。超音波を照射した群では再潅流早期より心機能の改善を認め、ベラパミールにより超音波の作用は拮抗されなかった。この事から超音波照射により細胞内にカルシウムが流入するために心機能が増強されるという説は否定的と考えられた。
2.犬の右心バイパスモデルによる検討
ラットで行った実験結果をふまえ、より臨床に向うべく心臓表面より超音波を照射する装置を開発し、雑種成犬に用いてその有用性を検討した。犬を開心手術と同様の方法で体外循環下におき、心筋に常温下20分間の虚血を加えた。その後の20分間超音波照射を行いながら再潅流を加え、心機能回復率を右心バイパスモデルで測定した。その結果、虚血よりの回復時に本装置で超音波照射を行うと心機能の有意の改善を認め、本方法が臨床的にも応用可能で有効である事が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 日本超音波医学会講演論文集第46回研究発表会. (1985)

  • [文献書誌] 日本超音波医学会講演論文集第47回研究発表会. (1985)

  • [文献書誌] Medicina. 22-12. (1985)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi