研究分担者 |
望月 吉彦 東京慈恵会医科大学, 医学部心臓外科, 助手 (20174344)
益子 健男 東京慈恵会医科大学, 医学部心臓外科, 助手 (50138799)
佐々木 達海 東京慈恵会医科大学, 医学部心臓外科, 助手 (20138754)
鈴木 茂 東京慈恵会医科大学, 医学部心臓外科, 講師 (50130175)
堀越 茂樹 東京慈恵会医科大学, 医学部心臓外科, 講師 (90056987)
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研究概要 |
(1)Working heart (Neely model)着による摘出ラット心を用いての実験 1)ラットの実験では, 超音波照射により心機能は増強され, 虚血からの回復が有意に良好であった. そしてこれらの作用は, カルシュウム拮抗剤で抑制されなかった. 2)心停止液中にATPを加えた実験を61年度から引き続き行い, 加えるATPの量における影響を検討した. 即ち, 細胞膜透過性に対する超音波の作用, 心機能に及ぼす影響を, 高濃度ATPとの相互作用の有無から検討した. 低濃度のATPを加えた実験では心機能回復は良好であったが, 心筋内ATPは超音波照射による効果は認めず低下した. しかし, 高濃度ATPを加えて超音波照射を行うと, 心機能回復率の改善は変わらないが, 心筋内ATPの保存は非常に良好であった. この事より, 長時間の心筋虚血に対して本方法が非常に有利であると推測され, また, 超音波照射の作用機序として, 膜の透過性に影響を及ぼしている事が示唆された. (2)犬の右心バイパスモデルによる検討 1)ラットで行った実験結果を踏まえ, より臨床に向かうべく心臓表面より超音波を照射する装置を開発し, 雑種成犬を用いてその有用性を検討した. 実験では, 臨床用に開発されたプローベの有効性が示され, 有意に良好な心機能の回復を示した. 2)さらに臨床で使用可能とするために, 超音波発信部を小さくし冷却部も一休化するなどの改良を行った. しかし, 装置の発熱が問題となったため, 出力を下げる, 心臓との接触面を変更するなどの改良を行い, 実験を行った. 発熱のために出力を下げた実験においても超音波照射の心機能増強作用は変わらず良好で, 臨床応用の可能性が示唆された.
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