研究課題/領域番号 |
60440069
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒川 高秀 東大, 医学部, 教授 (90010298)
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研究分担者 |
渋谷 一行 国立リハビリテーションセンター
中村 利孝 東京大学, 医学部, 講師 (50082235)
黒沢 尚 東京大学, 医学部, 講師 (50010301)
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キーワード | カルシウムアパタイト / 骨充填材 / フィブリン / コラーゲン / 吸収性 |
研究概要 |
【I】アパタイトの骨欠損部埋め込み後の骨強度について 骨欠損部に充填したアパタイトには、速かに新生骨が増生されるが、その部位がはたして支持という量の機能をどの程度発揮し得るかは問題である。犬脛骨顆部にアバタイトブロックを埋め込み術後6ケ月、1年で脛骨関節面の打ち抜き試験を行った(11=20)結果では、既に6ケ月時点で健側の部位と力学的には同等であり1ケ月でも同じであった。大腿骨骨幹部中央にアパタイトを埋め込み術後6ケ月、1年で大腿骨とねじり試験を行った。(n=18)その結果術後6ケ月、1年共に手術大腿骨は健側コントロールの70%のねじり強度を示した。 【II】アパタイト複合材の研究 アパタイトを更に臨床応用の為に特性を向上させる目的で(1)骨新生を加速させる為にフィブリンと複合化する。(2)アパタイトに靭性を与える為にコラーゲンと複合化させる。の研究を行った。フィブリンとの複合化では、アパタイト単体にくらべ1ケ月、3ケ月の時点で約2倍近い骨新生量を示した。(2)コラーゲンとの複合化では、圧縮強度は4,5倍に向上したが、生体埋め込み後1ケ月時点では巨細胞の侵潤が見られ骨形成もやや単体に劣り生体反応性がやや劣る傾向が見られたが、3ケ月時点では巨細胞の数は減少し又骨新生量アパタイト単体とほぼ同程度となり、長期的には反応性は問題ないと云えよう。 【III】アパタイトの生体内での吸収性について アパタイトを骨充填材あるいはインプラント材として用いる際その吸収性は大きな問題である。我々は現在アパタイト多孔体、緻密体両者の吸収性を最長2ケ年まで観察中である。
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