研究課題/領域番号 |
60440075
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
久住 治男 金沢大, 医学部, 教授 (70019537)
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研究分担者 |
打林 忠雄 金沢大学, 医学部付属病院, 助手 (90151894)
内藤 克輔 金沢大学, 医学部付属病院, 講師 (60115251)
三崎 俊光 金沢大学, 医学部付属病院, 講師 (50020003)
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キーワード | 金蒸気レーザー / 光力学的治療 / 膀胱腫瘍 / 光感受性物質 / 温熱療法 / 膀胱癌モノクローナル抗体 / ヘマトポルフィリン誘導体 / フタロシアニン |
研究概要 |
1.動物移植腫瘍に対する金蒸気レーザー(GVL)を用いた光力学治療(PDT)では温熱治療効果の誘導も可能で、アルゴン色素レーザー(ADL)のPDTに比し、有意に高いCR率と、有意に短い照射時間でCRに達しPDT確立上有用なレーザーと考えられた。2.高速液体クロマトによる腫瘍内取込みHpDの活性成分としてプロトポルフィリンが示唆された。新しい光感受性物質としてHpDpolymerの腫瘍内取込みはDHEに比し3倍大で またAl-phthalocyanineは676nmの長波長側に最大吸収ピークを有し今後HpDよりも期待される物質と考えられた。3.2cmまでの腫瘍でADL-PDTは50〜100J/【cm^2】の照射下にCR率は58%と低いが、GVL-PDTでは同条件下で15腫瘍すべてにCRが得られ、GVLの臨床的有用性が実証された。4.GVLビーム(径44mm開口角3mrad)を600μm光ファイバーに導入するため3腫のレンズを検討し、平凸レンズ(焦点距離85mm)では共振器出力4.8Wで、ファイバー先端出力1.2Wが得られ臨床的に応用可能なものを試作し得た。5.脂肪乳剤イントラリポス封入石英バルブ(7mm径)付PDT用膀胱全照射用光散乱機を試作し、イントラリポス2〜3%が、最も効率よい光散乱を示した。これを家兎膀胱移植腫瘍に用い、約20J/【cm^2】でその有用性が確認された。6.膀胱上皮内癌取込みHpDの蛍光イメージング用にUV励起光導光ファイバーおよび内視鏡を試作し、目下膀胱自家蛍光の除去条件につき検討中。7.invitroでKK-47膀胱癌細胞のT24膀胱癌細胞モノクローナル抗体抱合HpDとHpD単独の取込みを分光学的に比較したが、0〜4時間接触で有意差を認めなかった。8.invitro KK-47細胞に対しPDTと温熱併用効果はPDT+温熱の順で増大、その間隔の延長により低下、温熱+PDTの順でPDT効果の低下がみられ、臨床応用上有用な知見であった。
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