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1988 年度 実績報告書

細菌線毛の尿路感染症における意義の解明と尿路感染症治療への抗体の応用

研究課題

研究課題/領域番号 60440076
研究機関九州大学

研究代表者

熊澤 淨一  九州大学, 医学部, 教授 (60038669)

研究分担者 尾形 信雄  九州大学, 医学部, 助手 (90185497)
松本 哲朗  九州大学, 医学部, 講師 (50150420)
キーワード尿路感染症 / Type1線毛 / MS線毛 / P線毛 / MR線毛 / スーパーオキサイド / スーパーオキサイド / ディスムターゼ
研究概要

1.細菌線毛の種類と尿路病原性に関する研究・尿路分離細菌の線毛保有率と線毛の種類を検討した。尿路感染由来大腸菌は8種類の赤血球凝集パターンがあり、線毛発現形態に種類がある。そこで、ラテックス凝集反応による特異的P線毛保有株を検討した。その結果、急性単純性膀胱炎患者尿由来の大腸菌では、20%がP線毛保有株で、Type1線毛保有株が50%、両者同時保有株が6%であった。また、P線毛保有株の全株はマンノース低抗性(MR)凝集反応を示すが、MR凝集反応陽性株の52%は非P線毛であった。このことは非P、非Type1線毛が存在することを示している。
2.線毛のクローニング.と線毛の種類による生体反応の相違に関する研究・Seratia marcescens臨床分離株よりMRおよびMS両線毛保有株を選び、遺伝子操作によりMRおよびMS線毛遺伝子をクローニングした。このクローニングされたMRおよびMS線毛遺伝子を無線毛大腸菌に挿入し、MRまたはMS線毛のみを発現した細菌を得、線毛の種類による相違を検討した。MR線毛発現株とMS線毛現株をそれぞれ、ラット腎内へ直接々種すると、MS線毛発現株では強い瘢痕形成をみた。この瘢痕形成はスーパーオキサイド・デイスムターゼ(SOD)により、予防できることから、スーパーオキサイド(SO)の関与した反応であることが示唆された。
3.線毛を中心とする菌側病原因子に対する生体側尿路感染防御因子の作用に関する研究・尿路感染症の主な防御因子として重要な白血球機能の腎盂および尿中での影響を調べる目的で、NaClや尿素のSO産生能に対する影響を調べた。その結果、NaClや尿素での高浸透圧下ではSO産生能の低下がみられ、NaClはATP消費によるエネルギー消費、尿素は酸素に対する直接作用と考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tetsuro MATSUMOTO: 西日本泌尿器科. 48. 1859-1862 (1986)

  • [文献書誌] Tetsuro MATSUMOTO: 西日本泌尿器科. 49. 95-97 (1987)

  • [文献書誌] Nobuo OGATA: 西日本泌尿器科. 50. 589-592 (1988)

  • [文献書誌] Tetsuro MATSUMOTO: Urological Research. 16. 367-371 (1988)

  • [文献書誌] Tetsuro MATSUMOTO: Journal of Urology. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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