研究分担者 |
滝沢 憲 東京女子医科大学, 産婦人科, 助教授 (10107683)
仁志田 博司 東京女子医科大学, 母子総合医療センター, 助教授 (80104553)
中林 正雄 東京女子医科大学, 母子総合医療センター, 助教授 (70114585)
井口 登美子 東京女子医科大学, 産婦人科, 教授 (60075314)
武田 佳彦 東京女子医科大学, 産婦人科, 教授 (00033069)
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研究概要 |
胎児発育には母体,胎盤,胎児の各因子が関与し、その総合的解析が必要である。本研究では胎児発育に関する多項目につき、以下の成績が得られた1)超音波断層診断装置による推定児体重の精度評価と同時に、妊娠中期における各測定項目の総合的判定基準を作成し、それによりLFD,SFD児発生予測が可能となった。2)妊娠中期のFetoscopyの臨床応用を試み、胎児異常の診断が可能であったが、羊水中粒子による視野の防げ、可視範囲などに問題点が残された。3)超音波pulse doppler法による胎児臍帯動脈血管抵抗(PI)の算出により、IUGRでは正常群に比してPIの増加が認められ、多数の臨床例よりPIは、IVGRの成因と密接に関与することが示された。また母体循環動態が妊娠中期に著しく変動する妊娠中毒症々例ではIVGR発症率が高率であった4)胎児発育と密接に関係する妊娠中毒症においては、血管内皮細胞表面に存在し、トロンビンのリセプターとして凝固系を制御するトロンボモジュリン(TM)がIVGRを高率に合併する中期発症型妊娠中毒症において母体,胎盤,臍帯血管内皮で抵下していることが示された。5)ヒト胎盤のgrowth factorおよびそのレセプターの測定を【^(125)I】-IGF-I,【^(125)I】-EGFを用いて行い、両成長因子のレセプターが同定でき、妊娠週数と共に増加する結果が得られた。6)胎児新生児の発育について新たに作成した胎児発育曲線および、新生児期の発育データより在胎24週より出生後18週項までは直線的な発育をすることが示され出生後の児発育のverosityは胎児のそれとほぼ一致することが明らかとなった。7)小児発達のfollow up studyより、小児の神経学的障害発生には妊娠中期の母体合併症の胎児に与える影響に関する検討が重要であり、特に胎児の頭部の発育に着目すべきであることが示された。
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