研究課題/領域番号 |
60440079
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三島 済一 東大, 医学部, 教授 (60009917)
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研究分担者 |
堀 貞夫 東京大学, 医学部, 講師 (20143498)
増田 寛次郎 東京大学, 医学部, 助教授 (60010188)
谷島 輝雄 東京大学, 医学部, 助教授 (50010187)
望月 學 東京大学, 医学部, 助教授 (10010464)
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キーワード | 免疫療法 / シクロスポリン / ベーチェット病 / 網膜芽細胞腫 / プロスタグランディンズ / 角膜移植 |
研究概要 |
眼科領域における新しい免疫療法の開発を目的として昭和61年度に行なった研究で、下記の如くの成果が得られた。 1.(1)実験的自己免疫性ぶどう膜炎に対するシクロスポリンA、D、G(CsA,CsD,CsG)の治療効果と副作用を前年度に検討したが、今年度はラットの腎機能障害について検討し、40mg/kg/日でもCsGは腎機能障害を生じないことがわかった。更に、CsAは、ラットの実験的自己免疫性ぶどう膜炎に対して、免疫寛容を誘導し、抗原特異的なサプレッサー細胞を活性化することが判明した。(2)ベーチェット病を主に難治性ぶどう膜炎の症例に対し、CsA療法を行ない、安全かつ有効な投与法について検討した。その結果、従来の初期量10mg/kg/日で1日1回内服よりも、4〜6mg/kg/日で1日2回分服する方が、腎障害の発生率が低く、ぶどう膜炎に対する有効性も同等であることがわかった。今後は、この方法で症例を重ねる予定である。 2.(1)網膜芽細胞腫に対する単クーロン抗体を前年度作製したが、この抗体の、ヒト網膜芽細胞腫の新鮮標本に対する免疫学的特異反応を今年度は検討した。この抗体は他の悪性腫瘍には反応しないが、網膜芽細胞腫に反応することが免疫組織化学的に示された。(2)網膜芽細胞腫に対するプロスタグランディンズの抑制効果について検討した。PG【D_2】、【J_2】がin vitroでの網膜芽細胞腫の増殖抑制作用をもつことが判明した。 3.角膜移植に対する免疫療法開発のための実験モデルとして、ラットにおける 角膜移植の実験系を確立した。ラットでは、種々の単クローナル抗体が市販されており、拒絶反応の免疫学的検索が可能なので、次年度以降の研究課題とする。
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