研究課題/領域番号 |
60440080
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
所 敬 医科歯科大, 医学部, 教授 (20013865)
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研究分担者 |
船田 みどり 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10143554)
氏家 和宣 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (50008546)
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キーワード | 走査電子顕微鏡 / 微小循環 / 毛様体 / 虹彩 / 樹脂 / 注入法 |
研究概要 |
1.猿眼を用いた樹脂注入標本をもとに調節と関係が深い毛様体や虹彩の血管構築について咋年に引き続き詳細な検討を行っている。これらを支配する血管系には、後毛様体動脈系と前毛様体動脈系の2系統があり複雑な形態を呈している。これらの血管の形態が調節痙攣剤としてピロカルピンやフオスフオリンアイオダイドを点眼した時や調節弛緩剤としてアトロピンを投与した時に血管がどの様に対応するかについて比較検討している。 2.血液循環の他に房水循環の面よりも検討を行っている。前房内に樹脂を注入し房水の排出ルートについて検索し、樹脂が脈絡脈下腔にまで到達していることを知った。脈絡膜下腔は調節時に拡大するとの報告もあり、現在調節痙攣あるいは麻痺剤などの薬物負荷によって脈絡膜下腔への樹脂の流入の変化及び、脈絡膜下腔の大きさの変化などについて検索をすすめている。 これらの研究成果は、昭和61年5月のローマでの国際眼科学会及び昭和61年9月に名古屋で開催された国際眼研究会議で発表した。 3.これらの検討をするにあたり、樹脂標本は軟部組織をとり除いて観察するため、出来上った標本は原形を維持することは難しく、脈絡膜下腔の機能的あるいは形態的変化をみることは従来の方法では仲々困難である。そこで軟部組織が除去されないで観察できる 方法の開発が望まれる。その一つの方法として樹脂に一定の割合で鉛を注入し、軟X線で原形に近い状態で立体的に観察する方法を考案中であり、現在、鉛の混合の割合がほぼ決定された状況にある。そこで、この方法を使うことにより、今後より詳細な検討を行う予定でいる。
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