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1986 年度 実績報告書

2次ウ蝕予防のための細菌学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60440088
研究機関新潟大学

研究代表者

岩久 正明  新大, 歯学部, 教授 (70013927)

研究分担者 新井 秀明  新潟大学, 歯学部, 助手 (00175952)
子田 晃一  新潟大学, 歯学部, 助教授 (90018755)
星野 悦郎  新潟大学, 歯学部, 教授 (90124619)
キーワード2次ウ蝕 / 嫌気性菌 / Metronidazole / α-TCP
研究概要

近年、ウ蝕の早期発見・早期治療の必要性が強調され、特に学童などにおいて広く行われるようになってきたが、一方では修復処置後の2次ウ蝕の発生が極めて多く、所期の目的が充分に達せられていないことを、筆者らは昭和58・59年度科学研究費を得てその実態を明らかにしてきた。そこで、本研究では、その原因を明らかにするため各種検討を行い、特に細菌学的アプローチによりその研究成果を昭和60年度実積報告書において明らかにした。昭和61年度の研究においては、第1にメトロニダゾール(MN)の象牙質ウ蝕病巣細菌に対する殺菌効果を検討し、次のようなな結論を得た。
1.象牙質ウ蝕病巣深部から得た試料をMNを含むBHI血液寒天およびMNを含まない血液寒天上で培養したところ、MNの添加によって試料中の99%以上の細菌が殺菌されていた。2.新鮮抜去歯のウ蝕感染象牙質の上に5%MNを含むα-TCPセメントおよびMNを含まないα-TCPセメントで覆い、1〜3日後に病巣象牙質中の菌数を調べたところ、MNの添加によって圧倒的多数の細菌が殺菌されていた。3.α-TCP自身には特に抗菌作用はみられなかった。また、MNの添加によってα-TCPセメントの材料学的性質が劣化することはなかった。次に第2の研究として、実際の口腔内で象牙質ウ蝕を有する歯牙の軟化細菌感染層を残して、その上をMN添加のα-TCPセメントで裏層し、1,28日および1年後にセメントを除去して窩底部象牙質を採取して調べたところ、いずれの試料からも細菌は生育しなかった。この事実は、修復時に誤って窩洞に残された細菌によるウ蝕の再発を防ぐのみならず、1年経過後も効果が持続されていることから、2次ウ蝕の発生を防ぐためにも極めて効果的といえる。また、本研究では、軟化感染象牙質が1年後にすっかり硬化するという大変興味ある事実が明らかになり、現在その原因を究明中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 子田晃一,星野悦郎,佐藤ミチ子,安藤直美,岩久正明: 日本歯科保存学会雑誌. 30. 147-151 (1987)

  • [文献書誌] 岩久正明,星野悦郎,子田晃一,佐藤ミチ子,安藤直美: 日本歯科保存学会雑誌.

  • [文献書誌] E.Hoshino;K.Kota;M.Sato;M.Iwaku: Caries Research.

  • [文献書誌] E.Hoshino;M.Iwaku;M.Sato;N.Ando;K.Kota: Caries Research.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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