研究課題/領域番号 |
60440091
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金田 敏郎 名古屋大学, 医学部, 教授 (30022768)
|
研究分担者 |
鈴木 英治 名古屋大学, 医学部, 助手 (30187752)
松田 匡房 名古屋大学, 医学部, 助手 (30136098)
|
キーワード | 血友病A / フォンヴィルブランド病 / DIAVP / フォンヴィルブランド因子抗原 / 酵素抗体直接法 / 抜歯 / 高感度ヘモグロビン測定法 / 高単位トロンビン |
研究概要 |
1)先天性第VIII因子欠乏患者の口腔出血管理におけるDDAVPの臨床効果についての検討:軽症、中等症血友病A、フォンヴィルブランド病(タイプI、タイプIIA)、第V、VIII因子欠乏症患者の出血管理が有効であった。DDAVP静注後の凝血検査でPPは変化しないが、AーPTTは有意に短縮(P<0.05)し、VIII:Cは有意に上昇(P<0.05)、vWF:Agも有意に上昇(P<0.05)していることを確認した。臨床応用例より考察して、VIII:Cが10%以上の症例では濃縮製剤の補充や、局所止血処置を行わずに良好なる局所止血状態を得ることができた。 2)ヒト口腔粘膜血管内皮細胞内vWF:Agの動態に関する免疫組織化学的研究:vWF:Agはヒト口腔粘膜血管内皮細胞内でも産生されるが、基底側にはほとんど局在していなかった。DDAVP投与後には、vWF:Agの局在は管腔側および基底側の細胞膜、基底膜および内皮細胞周辺の間質組織のcollagen線維上に変化をしていた。なおこれらの変化はepinephrine投与後でも同様に認められた。 3)高感度ヘモグロビン測定法による口腔出血の定量的解析:シアンメトヘモグロビンのO.D.420nmの吸光度を測定することにより、通常のシアンメトヘモグロビン法の約1000倍の感度をもつヘモグロビン測定法を開発した。各種口腔内に出血を示す疾患での唾液中ヘモグロビンを測定し、口腔内出血の定量的解析を行った。 4)高濃度トロンビンの凝固線溶に及ぼす影響について:トロンビン凝固能についてATーIII単独ではその阻止効果は認められず、ATーIIIとheparinの存在下でheparinの濃度に依存して阻止効果が観察された。TEGではplasminogenを加えても変化は認められず、plasmin添加により濃度依存性に著明な線溶傾向を認めた。高濃度トロンビンによる線溶活性は、EACA、aprotinineによって制御を受けなかった。
|