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1986 年度 実績報告書

新しい強心薬の開発・評価に関する電気薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60440098
研究機関東北大学

研究代表者

平 則夫  東北大, 医学部, 教授 (60004553)

研究分担者 柳澤 輝行  東北大学, 医学部, 助手 (90133941)
飯島 俊彦  東北大学, 医学部, 助教授 (30004724)
キーワード新しい強心薬 / カルシウム電流 / ナトリウム電流 / 内向き整流カリウム電流 / 遅延整流外向き電流 / 細胞内cAMP / OPC-8212 / MCI-154
研究概要

心不全の治療には、従来強心配糖体が使われてきたが、安全域が狭く致死的な副作用を有するために新しい強心薬の開発が急がれている。現在、数多くの薬物が研究されているが、そのほとんどが細胞内cAMPを増加することによって【Ca^(2+)】電流を増強する作用が主であると考えられている。また、最近【Na^+】電流を増強することによって強心作用を現す薬物も開発されつつある。本研究では【Ca^(2+)】電流や【Na^+】電流以外の電流系、即ち【K^+】電流にも注目して検討を加えた。OPC-8212はPDE阻害により細胞内cAMPを増加する作用を有するが、血管拡張作用がないことや、心拍数を減少する傾向のあることから、それ以外の作用機序が示唆されていた。そこでモルモット単離心室筋細胞を用いて電気薬理学的に検討を加えた。パッチクランプ法による膜電位固定下で【Ca^(2+)】電流の増加がみられたが、それほど著明なものではなかった。しかし、著明な内向き整流【K^+】電流と時間依存性の遅延整流電流の抑制が、濃度依存的に見られた。また、MCI-154は、PDE阻害作用がほとんど無く、その強心作用の作用機序が不明であった。膜電位固定下では、【Ca^(2+)】電流の増強作用は認められず、唯一内向き整流【K^+】電流の抑制が濃度依存性に認められた。【K^+】電流が減少すれば活動電位持続時間が延長し細胞内【Na^+】濃度は上昇して間接的に【Ca^(2+)】濃度が増加すると考えられるし、直接【Ca^(2+)】電流によるCa-influxを増加させる可能性も考えられる。以上の事実から、新しい強心薬を開発・評価するに当たって、【K^+】チャンネルを修飾する薬物も考慮にいれる必要があることが明らかになった。即ち、【Ca^(2+)】・【Na^+】・【K^+】チャンネルに対する作用を充分に解析することによってのみ新しい強心薬の開発・評価が可能になるものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Wada: Heart Vessels. 2. 29-35 (1986)

  • [文献書誌] T.Iijima: Folia Pharmacol.Jap.85. 415-423 (1985)

  • [文献書誌] T.Iijima: J.Pharmacol.Exp.Ther.240. (1987)

  • [文献書誌] K.Takahashi: J.Cardiovasc,Pharmacol.(1987)

  • [文献書誌] T.Yanagisawa: J.Cardiovasc.Pharmacol.(1987)

  • [文献書誌] S.Katayama: Jap.J.Pharmacol.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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