研究分担者 |
玉那覇 直 , 沖縄刑務所管理部
東盛 キヨ子 琉球大学, 教育学部, 助教授 (60044947)
金城 須美子 琉球大学, 教育学部, 助教授 (00044933)
桂 正子 琉球大学, 教育学部, 助教授 (20044935)
尚 弘子 琉球大学, 教育学部, 教授 (40044888)
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研究概要 |
1.研究目的 わが研究班は、昭和60年度から4年間に、聴取り調査から長寿者の食生活の特徴を明らかにし、更に利用食品中の特殊成分分析ならびに動物実験による生理的効果を明らかにして、長寿と食生活との関係を考究することを目的としている。 2.研究方法 (1)聴取り調査は本部町(本島北部),知念村(南部)の長寿者約60名を対象に食生活状況,栄養素・食品摂取状況ならびに郷土食について行なった。(2)食品分析は豚肉各部位,豆味噌,そてつ味噌の一般成分,ビタミン,脂肪酸,コレステロール,アミノ酸について測定を行なった。(3)動物実験では豚肉料理の凍結乾燥末を飼料に混合し飼育した白ネズミの血清と肝臓の脂質濃度への影響をみた。 3.結果 本年度の研究により次の事が明らかになった。(1)本部町在の長寿者の壮年期の食生活は現在よりも、雑穀類,芋の摂取が多く、小魚や海藻類の利用に特徴がみられ、乾燥大根葉,乾燥そら豆の葉,芋粕粉など食物繊維の摂取が多かったことが推察された。血液検査の結果からHDL-コレステロールも高いことがわかった。知念村についても同様の調査を終り、集計・解析を行なっている。(2)豚肉部位別の調理による成分変動の著しいのは灰分、次いで皮付三枚肉のたんぱく質、そして他の部位の脂質量であった。脂質とコレステロール量の変動は有意の正の相関であった。皮付三枚肉の長時間加熱調理では脂質が30%減少し、脂肪酸組成ではモノ不飽和が増加傾向にあった。豆味噌のアミノ酸組成ではPhe,Thr.が多く、他成分は普通味噌と大差がなかった。(3)動物実験では耳皮,豚足汁,中身の吸物の凍結乾燥末5%混入飼料で15日間飼育した後、血清,肝臓中の脂質とコレステロールを定量した。この3種の中、豚足汁が好結果が得られたが、なお、追試中である。
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