1.ペプシノーゲン(ヒト、ブタ、ラット)及びプロキモシン(コウシ)の生合成前駆体を単離、同定し、N末端シグナル配列の全構造を決定した。 2.ヒト胃ペプシノーゲンA及びCアイソザイム(6種)及びSlow Moving Protease、サル前立腺ペプシノーゲンC様前駆体酵素、スッポン胃ペプシノーゲン(9種)、カエル食道ペプシノーゲン(2種)、マグロ胃ペプシノーゲン(3種)を分別単離し、分子的、酵素的諸性状を詳細に比較検索した。 3.蛋白化学的手法によりニホンザル胃ペプシノーゲンA及びC、マグロペプシノーゲン主成分、Rhizopusペプシン、クロコウジカビ・プロクターゼAの全一次構造、ならびにヒトペプシノーゲンA及びCアイソザイム、カエルペプシノーゲン、Scytalidium lignicolumプロテアーゼAの部分構造を決定した。また、遺伝子構造解析によりヒトペプシノーゲンCの全一次構造、cDNA構造解析からラットペプシノーゲンCおよびスッポンペプシノーゲンの全一次構造を推定した。 4.ヒトペプシノーゲンA及びCアイソザイム、その他各種動物ペプシノーゲン(サル、ブタ等多数)の活性化機構を詳細に比較解析し、活性化機構モデルを提出した。 5.Site-directed mutagenesis法により、ブタペプシノーゲンの各種変異体を大腸菌で発現させ、活性部位の2個のAsp及びN末端の重要性を示した。 6.ヒト及びラットペプシノーゲンCの遺伝子構造を決定し、ヒトC遺伝子は染色体6に存在することを示した。また、ヒトペプシノーゲンA遺伝子は3個あり、少くとも2個は同一DNA上に近接して存在することを示した。 7.ラット及びヒトペプシノーゲン遺伝子の発現と低メチル化度との間に正の相関があること、胃粘膜の核分画に25Daの転写制御因子が存在し、遺伝子の5′上流域と結合することを示した。
|