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1986 年度 実績報告書

細胞骨格関連カルモデュリン結合蛋白質の生理機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60440104
研究機関大阪大学

研究代表者

祖父江 憲治  阪大, 医学部, 助教授 (20112047)

研究分担者 田中 敏彦  大阪大学, 医学部, 助手 (20163545)
キーワード細胞骨格 / カルモデュリン / カルシウム / アクチン / カルデスモン / カルスペクチン / 細胞膜裏打ち構造 / 血管平滑筋
研究概要

細胞の各種機能の発現には、細胞の全体あるいは局所的な運動が伴う。本研究では細胞運動の物質的基盤である細胞骨格とその制御機構を、私たちが発見した細胞骨格関連カルモデュリン結合蛋白質と関連させながら追究している。
まず、細胞膜流動性と細胞膜裏打ち構造の制御機構を追究するため、リンパ球のCon A受容体キャップ形成時の細胞骨格関連カルモデュリン結合蛋白質の変化を免疫細胞化学的に検討した。【Ca^(2+)】・カルモデュリンにより制御されるアクチンミオシン相互作用が細胞表面受容体の移動→キャップ形成の原動力となっていることが示唆された。また、細胞膜裏打ち蛋白質であるカルスペクチンとアクチン線維との相互作用を【Ca^(2+)】カルモデュリン依存性に制御する、赤血球の4.1蛋白質に関連した蛋白質を発見した。さらに、脳の膜分画から、アクチン・チューブリン・スペクトリンと結合する分子量84/82kDaのカルモデュリン結合蛋白質を精製したが、これはシナプシンIであった。
種々の臓器組織において各種のアクチン調節蛋白質が分離あるいは同定されているが、副腎髄質より新しい分子量80kDaの【Ca^(2+)】感受性アクチン調節蛋白質を分離精製しその性質を検討した。
血管平滑筋より、ミオシン軽鎖キナーゼおよびカルデスモンを分離精製した。これらの蛋白質は、ニワトリ砂のう平滑筋の蛋白質と類似しており、砂のう平滑筋と同様の収縮制御機構が血管平滑筋にも存在すると考えられる。また血管平滑筋細胞の分化・脱分化に伴い、カルデスモン150kDa型-77kDa型に相互変換の起こることを発見した。
複数の細胞骨格に作用する分子量3.5万の新しい細胞骨格関連カルモデュリン結合蛋白質"サイトシナナン"を発見した。アクチン・カルスペクチン・チューブリン・カルモデュリンなどと結合性を示し、細胞骨格間相互作用を調節していることが期待される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Keiko kanda: Biochem.Biophys.Res.Commun.140. 1051-1059 (1986)

  • [文献書誌] Keiji Yamazaki: J.Biochem.101. 1-9 (1987)

  • [文献書誌] Nobuhiko Ashino: J.Biochem.101. 609-617 (1987)

  • [文献書誌] Kenji Sobue: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (1987)

  • [文献書誌] Toshio Okabe: FEBS Lett.(1987)

  • [文献書誌] Yumiko Mizushima: Biomed.Res. (1987)

  • [文献書誌] Kenji Sobue: "The role of calcium in biological system" CRC press,inc.Florida, (1987)

  • [文献書誌] Kenji Sobue: "Molecular Mechanism of Biosignal Transduction" VNU Science Press BV, 19 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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