研究概要 |
ATP依存性DNaseは細菌界に広く分布し, ATPの添加を必須としてこれをADPとPiとに開裂, そのエネルギーを用いて直鎖状の一本鎖または一本鎖のDNAを末端から分解して, オリゴヌクレオチドを産生するが, 環状DNA分子には全く作用しないという特異な作用を持ち, ATPのエネルギーがDNAの分解反応にいかに利用されているかが反応論的に興味深い. 一方この酵素タンパクは生命現象に必須な細胞内遺伝子組換え過程に働くrecBとrecC遺伝子の産物であることが知られており, その作用機構を解析することは組換え過程を理解する手がかりを与えるものと期待される. そこで遺伝的解析に最も好都合な大腸菌を材料として, recBとrecC遺伝子を別々にクローン化し, それぞれの産生タンパクを精製して反応機構を明らかにする目的で本研究を開始した. 本年は昨年度に続きrecC遺伝子をpBR322プラスミドにクローン化して多量に集め精製し, その全塩基配列を決定した.
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