研究概要 |
バナジンサンplus ADPを可逆的アフィニティラベルとして用いた我々のキネティクスの研究結果より、ミオシンS1(A1)〔ミオシンの頭部〕には(少なくとも)2種のものの存在することが示されている。この時、可逆的SH修飾剤でミオシンS1を前修飾すると、S1には2種存在することが非常にはっきりすることも示されている。 本研究の第1番目の目標は、ミオシンS1(A1)を2種(あるいは、それ以上)のものに分離することである。そこで、ADP-アフィニティカラムを用いてその分離を試みた。SH修飾剤で未修飾の場合には、その分離に成功しなかったが、SH修飾剤で修飾した後には、S1(A1)を2種、しかも1:1の等量比の分画に分離することに成功した。現在、それぞれの分画の分光学的性質(紫外吸収スペクトル,蛍光スペクトル等)や酵素的性質等について調べている。それぞれの分画のS1の性質は、以前の我々のキネティクスによる解釈の結果にほぼ一致している。各分画S1間のタンパク構造上の差異についても調べ始めた。その為に、まず等電点電気泳動を用いている。
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