研究概要 |
戦後のわが国の居住型態は、核家族化とともに大幅に変化した。すなわち夫婦、子供の2世代家族が典形的な「家」となった。これは大家族制度の崩壊である。一方わが国の経済と産業の形態は人口の都市集中化をまねいた。大都市への人口の集中は、一方では大都市を変化させ、地方都市をも変化させた。更に交通機関の発達は地方と中央を容易に単時間で結びつけることとなった。 戦後のこのような居住形態の変化、都市、および地方の変化は、それぞれそこ(都市および地方)に住む人にどのようなイメージとしてとらえられているのであろうか。 昨年度、筆者は、地方調査として、函館市,水戸市,喜界町を調査した。成果としては、地方居住者が、大都市を「文化程度が高い、よい学校がある、こわい、ごみごみしている,人が冷たい,きたない,わずらわしい」というイメージを持ち、自分達の住んでいる所をこのイメージと逆のものとしてとらえていることが明らかとなった。 本年度は地方調査としては稚内をとりあげ、更に本年度のメイン・テーマである東京調査を行なった。 稚内の結果は、小学生,中学生,高校生とも従来のものとほぼ同じであった。 東京住民についても、小学生,中学生,高校生,それぞれの両親についてて、ケート調査を行なったのであるが、ポジティブなイメージについては、ほぼ地方住民と同じであった。ネガティブなイメージについては、地方在住者よりは好意的であった。 詳しい分析は目下行なっている最中である。
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