研究課題/領域番号 |
60450024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
園田 恭一 東大, 医学部, 教授 (20009898)
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研究分担者 |
中村 律子 日本女子大学, 文学部, 助手 (00172461)
山崎 喜比古 東京大学, 医学部, 助手 (10174666)
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キーワード | 障害者の社会化 / 障害者の社会復帰 / 障害者と地域住民の接触 / ステレオタイプ / 地域住民による障害者の受け入れ / 保健医療ボランティア / ソーシャル・ネットワーク |
研究概要 |
本年度のメインの調査は、障害者施設や精神病院の社会化・開放化、障害者の社会復帰、障害者と地域住民の接触機会の増加に伴う地域住民の意識や受け入れ姿勢の変化に関するもので、施設・病院が立地する6つの地域を調査した。 その結果、第1に、調査対象地域はいずれも、障害者の受け入れの水準や内容という点で先進的であったが、そこに至るまでには、その地域の住民が特別、例えば受容的であったとかいうのではなく、まず施設・病院側が、地域の人々の理解と協力を不可欠のものと考え、地域に目を向け、働きかけるようになったことから始まっているという点、したがって、第2には、受け入れ住民の意識や姿勢は、もともとあるいは潜在的にあったヒューマンな意識や心情が、施設・病院側の誠意ある具体的な働きかけと障害者との実際の接触を通して、固定的な認識から解放され、引き出されたと言うべき面が強かった点、第3に、施設・病院の地域への働きかけは、ある程度、体系性と一貫性を持って長年月にわたり行われているが、この過程で、施設・病院自体が民主性、公開性を強めるなど、変わってきている点、第4には、これらに対する自治体、行政の支援の如何により、地域住民による障害者受け入れの条件は、画期的に拡大するものだという点、などが明らかになった。 以上の調査と並行して、川崎市のボランティア・グループと活動に関する調査を実施し、近年になるに従い、保健・医療との関わりの深いボランティア・グループや活動が増えていること、そして、そこでは、障害者や高齢者のソーシャル・ネットワークの一環としてのボランティアの役割に期待が高まっていること、しかし、保健・医療面での専門性に関わる問題が未整理、未解決であることなどを明らかにした。
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