研究分担者 |
竹田 美知 奈良女子大学, 家政学部, 助手 (00144634)
中川 早苗 奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (80093558)
江刺 正吾 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10038466)
中島 道男 奈良女子大学, 文学部, 講師 (10144635)
中道 実 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (40067690)
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研究概要 |
今日「情報化」と呼ばれる事象は、人間の「情報革命」における-言語,文字,印刷,通信の革命的変化につづく-第5次の歴史的経験、端的にいうと、コンピュータリゼーションに代表される、情報処理メディアの高度な発達に導かれている。そのような「情報化」に内在している理想は、情報メディアの高度化を通じて、情報を処理しながら生活する人間そのものの能力が高まり人間の共同生活が豊かになるということにある。 この目的に即して、「情報化」を社会事象として測定するために、本研究では、次の3指標が必要であると結論づけた。1.客体指標(人間・組織・機械などによって情報処理の対象とされる情報それ自体が大量・夛様・高度になること)、2.媒体指標(情報の流通を促進的に制御しうる物理的および社会的なメディアが大量・夛様・高度化すること)、3.主体指標(情報を処理する個人および社会・集団の能力が一般的な知性・感性の水準と専門的な知性・感性・技術の水準において高度になること)である。 一般的な状況として、今日の情報化過程では、一方で、情報の開放化による一般情報の"氾濫"と社会的ノイズの発生、他方で、閉鎖化による特殊情報市場の形成と付加価値への志向の高まりをみることができるが、こうした状況にいわゆる"ニュー・メディア"が具体的な効果をもち、日常生活のシステムにある程度の影響を与えて、生活文化にも変化が生じはじめている。 本研究では、こうした変化を、人びとの生活システムのレベルで把握しようとして、基本モデルを設定し、そこからさらに、生活構造,ライフ・スタイル,ライフ・チャンスの問題へと、理論的射程をのばし、同時に、この経験的な裏づけを求めて、地方都市の実態調査を実施して、『報告書』におけるように、本研究のめざすものが十分に成りたちうることを確認できる実証的な手がかりを得た。
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