研究概要 |
本年度は研究計画の最終年にあたり, 特に次のような点について実施した. (一),本研究課題の視点と方法を明らかにすることから, 鈴木栗太郎の都市理論の意義とその発展的継承のための課題についての若干の理論的整理をおこなった. 結節機関の存在をもって都市の本質と規定した鈴木の都市理論は, その独創性と豊富な分析概念の提示による体系的研究として, 近年, 詳価が高まりつつあるが, その一方で様々な批判も又存在する, これら, 鈴木の都市理論をめぐる評価と批判を跡づけながら, その問題点な課題を導き出し, その再構築にむけて鈴木の実証分析の方法と結果に立入って吟味した. (二), 都市的諸機関二事業所の量的・質的構成を指標する都市類型化の試みを, 全国10万人以上規模の都市についておこなった. そこでは, 「都市の大小を決定するものは, 結節機関の存在の量と規模である. (鈴木)とする内実についての吟味をおこなった. そこでは, 絶対量における機関の量と都市規模(人口)との相既関係は存在するものの, 単位人口当りの相対量においては相既関係は存在しなかった. ここに「機関構成内容」の差に都市個々の性格が反映していることが示されている. これを手がかりに, 都市の諸形態の内実についての検討がなされた. しかし, 類型説定には更なる吟味が必要であり, 今後に課題は残されている. (三), 事例都市における都市的諸機関の分析では, 昨年までの事業所調査に継続して調査が行なわれたが, 時間と人手不足から結局, 最大対数の第三次産業部門に限定され, 第二次産業〓行政的機関にまで刃ばなかった. しかし, 61年度事業所統計調査名簿とその補足調査による, 北見市など4市町村の全事業所, 約9000事業所の構成分伏をおこなうことができた.
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