研究概要 |
1.研究目的 19世紀末から20世紀30年代までの間の地方自治制度および省域内における自治運動の実態と展開過程を解明し, 近代中国における国民統治をめぐる諸問題を考察する. 2.研究実施方法 (1)本研究課題に関する日本・中国・欧米の著書・論文など文献の調査・収集を行い, 研究動向の把握につとめると共に問題点の整理を行った. (2)中央政府並に地方政府の政府関係文書, 地方誌類, 新聞類を広く調査し, 収集に務めると共に, 分析に当った. 研究の一部は別記の如く発表した. (3)外務省外交史料館所蔵の本研究関係の文書を検索し, その目録を作成し, 『外務省外交史料館所蔵諮議局・省議会関係史料』として印刷公表した. 3.新地検の概要 (1)中国における近代的地方自治制の採用は1908年から始るが, それ以後, 政治的混乱のためその実施は極めて困難であった. (2)しかし, 諮議局・省議会・県議会などの設置は, 開明的卿紳層の政治参加を実現し, 地方政治の近代化に貢献した実態は否定しえないことが明らかとなった.
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