研究課題/領域番号 |
60450057
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英文学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斎藤 武生 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (60091899)
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研究分担者 |
小野塚 裕視 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (10108433)
鈴木 英一 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (30004071)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1987
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キーワード | 形容詞 / 副詞 / 前位修飾語 / 後位修飾語 / 叙述形容詞 / 属性付与 / 小節 / 単純形副詞 / 修飾 / 指向性 |
研究概要 |
3年間にわたる本研究では、英語の形容詞というある意味では類似した性質をもつ2種類の要素の統語的・意味的な特徴を明らかにすることを目的とした。 I.形容詞の統語上の特徴としては、名詞の前置修飾語と後位修飾語として用いられる用法と、述部の一部を構成する叙述形容詞としての用法がある。これに加えて、副詞節の省略された形で文頭に付加詞として用いられる用法がある。 形容詞の意味上の特徴としては次の二つの点がある。先ず第一に、名詞の前位修飾語としての形容詞は、名詞の内在的特徴を形容し、この点で属性付与と分類という機能をもつと考えられる。第二に、名詞の後位修飾語と叙述形容詞と付加詞としての形容詞は、多くの場合名詞の一時間な特性を記述する機能をもつと考えられる。 II.副詞の統語上の特徴としては、連結動詞の補語として用法もあるが、多くの場合は付加詞として用いられる。同一の語が叙述形容詞と単純形容詞として用いられることがあるが、その機能は明らかに異なる。叙述形容詞は名詞の一時的特性を記述し、多くの場合「小節(small clause)」として分析することが可能である。他方、単純形副詞は、形容詞に類似しているが、根本的に副詞としての機能を有しており、名詞の特性を形容するという機能はなく、むしろ名詞の状態・様態を表わす。例えば、John spelled my name wrong.という文における単純形副詞wrongは、My name was wrong.ということではなく、The spelling of my name was wrong.ということを表わしており、副詞的な働きをしていることが明かである。 副詞の意味上の特徴は、動作や出来事の様態や状態を形容するという抽象的な修飾機能をもつ点にある。そこで、このような特徴は、指向性(orientation)という概念を認め、一次的指向性と二次的指向性という多重的な修飾機能を仮定して、説明する必要がある。
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