研究課題/領域番号 |
60450082
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
丹羽 邦男 神奈川大, 経済学部, 教授 (10078272)
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研究分担者 |
田上 繁 山武町史編纂委員会, 嘱託
泉 雅博 神奈川大学, 経済学部, 非常勤講師
石井 日出男 神奈川大学, 経済学部, 非常勤講師
中島 三千男 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (40159166)
長倉 保 神奈川大学, 経済学部, 教授 (00078271)
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キーワード | 廃仏毀釈 / 神仏分離 / 社寺領上地 / 地租改正 / 明治維新 / 近代化 / 天皇制 / 中央集権国家 |
研究概要 |
1 史料調査並びに研究会.夏休みを利用して、疋田種信氏所蔵の中世末から明治初年の史料を調査した。また、昨年度及び本年度に収集した史料の目録づくり、筆写、整理を行い、それをもとに五回の研究会をもった。 2 これまでの研究はおもに、大山崎荘の近世期における支配身分であった神官(社家)層の分析,離宮八幡宮の経営分析,神官(社家)の中でも有力な家の一つであった疋田家の経済的基盤の分析の、三つの点で行われた。(1)神官(社家)の分析.近世期において大山崎荘の支配身分であった、神官(社家)の人数の確定、したがってその姓名の確定は、これまでなされてこなかった。近世の初期には百数十家、幕末・維新期には三十数家と、漠然といわれてきた。今回の研究の中で、戸籍や諸帳簿を駆使して、幕末・維新期に限ってではあるが、神官(社家)の人数とその姓名を確定することが、できた。 (2)離宮八幡宮の経営分析.これまで、離宮八幡宮の大山崎荘の経営については、おおまかにしか、明らかにされていなかった。今回初めて厖大な「金銀諸払勘定帳」の分析を行い、宝暦12(1762)年〜天保6(1835)年の収支明細を明らかにすることができ、経営の一端を確定することができた。 (3)疋田家の経営分析.(2)に関連して、大山崎荘の支配身分であり、離宮八幡宮の共同運営者であった神官(社家)の経済的基盤についての分析は皆無であった。今回、有力な神官(社家)の一つである疋田家について「万覚帳」を使って、近世中期(享保20年〜元文5年)の収支を明らかにし、さらに「家領水帳」,「買附田地帳」を使って所持田畑の明細を明らかにすることができた。 3 総じて、今年度は基礎的な研究に止ったが、来年度はこれをもとに、研究テーマに迫っていきたい。
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