研究課題/領域番号 |
60450088
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
交通工学・国土計画
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 嘉司 東大, 工学部, 教授 (20010663)
|
研究分担者 |
桑原 雅夫 東京大学, 工学部, 講師 (50183322)
家田 仁 東京大学, 工学部, 助教授 (90168089)
島崎 敏一 東京大学, 工学部, 助教授 (50162665)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | 乗換非効用 / 効用関数モデル / 乗換方式 |
研究概要 |
大都市における交通機関としては、圧倒的な輸送力上のメリットや大気汚染等の公害に対する利点から、軌道系の公共交通機関が重要な役割を担ってきた。今後は、地方との連携がとられつつも、東京をはじめとする大都市の使命は、これまで以上に発展するものと考えられ、公共交通機関の位置付けも益々重要となるものと考えられる。また、21世紀の高齢化社会の到来を間近に迎えた現在、わが国の社会資本の状況はまだまだ十分な状態とはいえず、世界一の債権国としての力量を真にゆとりとつるおいのある社会作りに生かせるかどうかが重大な試金石となっている。こうした中で公共交通機関における「乗換」を如何にしてよりよいものとするかは、交通機関乗車中快適さの向上と並んで、それからの時代の交通施設整備上重要な課題であるが、従来必ずしも利用者の交通行動が乗換によってどのように影響され、どのようにすればそのデメリットを軽減できるのかについては、十分な研究がなされてきたとはいえない状況にあった。本研究は、このような問題意識にもとずいて、通勤鉄道利用者の乗換に対する評価を定量的に把握することを試みたものである。 本研究では、まず交通機関選択モデルとして、乗換の難易に対する利用者の評価を明示的に取り込んだ効用関数モデルを構築し、これを都市の地下鉄の延伸前後の旅客の行動に適用して、旅客行動の実測調査から、乗換に対する評価を推定したものである。推定結果もしては、垂直方向移動の乗換(100段、所要時間1:3分)は、平均的には乗車時間2.8分に相当し、水平方向移動の乗換(100m、所要時間1.2分)は、7.9分に相当することが明らかとなった。推定されたこれらの数値を用いることによって乗換方式の改善に伴う利用者の行動変化が予測できることとなるので、改善施策の評価や利用者数の変化予測に適用が可能である。
|