研究分担者 |
佐藤 秀一 東北大学, 理学部, 助手 (20162430)
岡田 正巳 東北大学, 理学部, 講師 (00152314)
堀田 良之 東北大学, 理学部, 教授 (70028190)
加藤 順二 東北大学, 理学部, 教授 (80004290)
増田 久弥 東北大学, 理学部, 教授 (10090523)
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研究概要 |
調和解析の研究は古く、しかも現代の数学の様々な分野でアイデアは活かされ発展している。特に近年は、Fefferman-Stein,Carlesonの研究に端を発し古典調和解析に新たな局面をむかえた。本研究はそのような背景の下で、フーリエ解析,調和函数の理論,確率論,複素函数論,微分方程式論,表現論,作用素論等の非可換調和解析等の専門家の共同研究又は協力によって、古典調和解析の拡大、それぞれの分野に於ける応用を更に進めることを目的とした。研究成果報告書に述べられているように、本研究はいくつかの成果を上げることができたばかりでなく、多様体上の調和函数の理論構成への手懸を得ることができ、今後共研究を発展させる考えである。 以下研究成果の概要を述べる。 1.古典調和解析の成果として、曲面上に特異点をもつマルチプライヤーの評価および掛谷最大函数の評価問題を部分的に解決した。これは積空間上の補間定理を示すことによってなされた。一方、積空間上のハーデイ空間の研究を行い、面積々分、Stolz領域上の最大函数、Carleson測度の関係に新しい知見をえた。これらを多様体上に拡張する試みを続行中である。 2.非可換調和解析に関しては、半単純代数群の表現論において、幾何学構造をD-加群の方法で解明することを試み、指標の特異性の解明に成功した。原始イデアルと指標の関係,巾単表現との関係についての研究は続行中である。 3.微分方程式の分野では、生物の生態形式を表わす拡散・反応方程式系について、その定常解、非定常解の大域解の存在を示すことに成功した。また抽象的な非線型発展方程式の解の解析性をHardy空間を利用して示した。
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