研究課題/領域番号 |
60460005
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大春 慎之助 広島大, 理学部, 教授 (40063721)
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研究分担者 |
板野 暢之 広島大学, 総合科学部, 教授 (80034544)
十時 東生 広島大学, 理学部, 教授 (70027366)
三村 昌泰 広島大学, 理学部, 教授 (50068128)
前田 文之 広島大学, 理学部, 教授 (10033804)
草野 尚 広島大学, 理学部, 教授 (70033868)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 非線形発展系の初期境界値問題 / 反応拡散系 / 自由境界問題 / 非目励発展方程式 / 非線形発展作用素 / 半線形発展方程式 / 非線形摂動 / 非線形関数解析 |
研究概要 |
非線形発展方程式の理論は今や非線形解析の分野で大きな位置を占め、微分方程式の研究と相まって発展し、数理科学の諸分野に現われる種々の非線形問題に応用されている。本研究では非形線発展方程式の一般理論及び種々の重要な非線形問題について。常・偏微分方程式論、非線形関数解析、確率論、幾何学の立場から総合的に研究することを試みた。研究分担者を5つの研究班に分け、各班はその役割分担に応じて数多くの結果と知見を得た。 1.微分方程式班は、種々の非線形性を含む微分方程式の定性的研究を行ない、解の存在、滑らかさ、特異性、漸近行動及び安定性を詳細に論じた。これらの解析のために新しい方法や技術を開発し、多くの成果をあげた。 2.応用微分方程式班は、数理科学や工学に現われる非線形問題を取り扱った。解を構成する新しい方法を開発し、非線形現象の数学的取扱いという観点から解の性質や挙動に関して数値解析を含めた詳しい解析を行った。 3.確率微分方程式班は、反応拡散系の解の挙動及び無限次元拡散過程の斬近挙動について調べた他、エルゴード理論において新しい知見を得た。 4.非線形関数解析班は、バナッハ空間の幾何学的構造を直交性の概念を用いて詳細に論じた他、超関数の変数変換や積に関して重要な結果を得た。 5.抽象発展方程式班は、バナッハ空間における発展作用素の一般的なクラスを導入し、これに属する発展作用素の性質を調べ、3種類の生成理論を展開した。また非自励発展方程式に対する広義解の概念の導入と広義解の存在について一般的な結果を得て、これらを種々の非線形発展系に応用した。 本研究の遂行のために緊密な研究連絡、積極的な資料収集、研究発表等の研究活動が行われたが、この科研費助成により十分な成果をあげることができた。これらの結果の多くは既に論文として発表され、その他の結果についても今後連続して発表する予定である。
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