研究分担者 |
笠木 治郎太 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10016181)
三雲 昂 筑波大学, 物理学系, 教授 (40015475)
長島 泰夫 筑波大学, 物理学系, 講師 (60091914)
ウ゛ィルフリード カ゛ルスタ 筑波大学, 理工学研究所, 外国人教師
古野 興平 筑波大学, 物理学系, 助教授 (40015772)
GALSTER Wilfried Program in Scientific Technology, Univ. of Tsukuba, Foreign Lecturer
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研究概要 |
表記の研究課題を遂行すべく、実験装置の開発・改善を行った。先ず、GLC重イオン源を導入しビームの強化がなされた。新しいバンチャー系を取りつけてビームのパルス化が完成して(Δt【〜!_】0.6ns)、T-O-F測定のスタート・シグナルが取れるようになった。多重角度飛行時間スペクトルメーターの製作が完成した。大立体角位置検出用ガスカウンターが開発され、1%のエネルギー分解能と3mmの位置分解能が得られた。大立体角ガスカウンターに適合する平行平板アバランシェ・カウンター(PPAC)が開発され、Cuイオンでチャンネルプレートとの組み合わせにより時間分解能167ピコ秒が得られた。大立体角半導体検出器(5×5cm)が多数購入され、核分裂片を多角度で測定出来るようにした。このエネルギー分解能は【^(35)cl】イオン110MeVで約1%であり、時間分解能はチャンネル・プレートとの組み合せで600ピコ秒が得られている。 こうして、核の質量数80位いまで、質量分解能ΔM=1によるT-O-F測定が可能になると同時に、多角度で核分裂片の質量・荷電・エネルギー・角分布を測れる完全実験が可能となった。テスト実験により、【^(16)O】+Cuの系でE=60MeVに約50mbの核分裂断面積があると確められた。従って、いよいよ本格的実験が開始出来る状況になっている。 「拡張ハウザー・フェッシュバッハ法」による理論解析が更に深められた。核分裂片の温度効果による準位密度の変化,変形効果,結合エネルギー効果等がプログラムに組み込まれ、実験データーからこれら物理量を引き出すことが可能となった。 このように、未だ世界的に未開拓分野である中重核領域の「核分裂障壁近傍の核反応」研究が、実験・理論共に充分準備が整い、本格的に始められるようになった。
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