研究課題/領域番号 |
60460024
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
城谷 一民 室工大, 工学部, 助教授 (90110692)
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研究分担者 |
福島 清大郎 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40113691)
永田 正一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80155936)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 超伝導 / 相転移 / 圧力効果 / 低温高圧 / ダイヤモンドアンビル型高圧発生装置 / リン / 黒リン / 赤リン |
研究概要 |
図1に黒リンの模式的状態図と超伝導の転移温度(Tc)を測定した5つの加圧経路を示す。経路【A_1】のTcは約6゜Kで、加圧してもほとんど変化しない。経路【A_2】では【A_1】とことなり8.7゜Kまで上昇する。経路Bは【A_1】とほぼ同じである。経路CとDは超高圧下で11゜Kに近づくような高いTCが得られている。黒リンの超伝導のTcは加圧経路に著しく依存すること、また約11゜Kという単体としては異常に高い。この異常な超伝導は圧力誘起相転移と密接に関係し、機構の解明のため低温、高圧下における黒リンのX線回打も研究した。高エネルギー研の軌道放射光をX線光源とし、低温下で圧力可変のできるダイヤモンドアンビル型加圧装置と結びつけ、低温下の黒リンの圧力誘起相転移を調べた。室温において黒リンは斜方晶から菱面体に4.5GPaで、単純立方には10GPaで転移する。77゜Kではこの2回の相転移の圧力は約6GPaと10GPaで、約10゜Kでは10GPaと15GPa付近である。相転移は大変おそく、温度が下がればさらにsluggishになり、相共有する圧力領域は広がり、不均一性を増す。図2に示すように赤リンを出発物質にした時の超伝導のTcは13゜Kに達し、黒リンの時よりも2゜Kも上昇する。赤リン出発では黒リンにくらべ相転移が一回ふえ、不均一性が増す。これがTcを上げる。
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