研究課題/領域番号 |
60460030
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田巻 繁 新大, 理学部, 教授 (80018259)
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研究分担者 |
原田 修治 新潟大学, 工学部, 教務職員 (80134956)
武田 信一 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10111733)
星野 公三 新潟大学, 工学部, 助教授 (30134951)
岡崎 秀雄 新潟大学, 教養部, 教授 (60018265)
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キーワード | 金属-非金属転移 / 液体の構造 / 液体の音速と吸收 / 液体の比熱 / So-Teの性質 / 液体Te化合物の物性 |
研究概要 |
60年度後半に購入した超音波減衰音速測定装置はこれまでいろいろなテストを終え、目下稼動中である。特に音速の測定は容易である。しかし減衰吸収の実験はかなりの経験を必要とする。61年度研究実績は以下のとおり。 1.音速とその吸收係数について理論的検討を行い、それらが液体の靜的並びに動的構造因子の長波長極限値によって与えられること、実験的にはクラマースクローニッヒの関係が存在することが判明した。このため、吸收係数を求める際は、音速の周波数依存性をしらべることが重要であり、目下この方針で実験をすすめている。 2.液体Se-Te全系の構造を中性子回折により測定し、温度の上昇と共に2配位から3配位に転移することを確かめたので、比熱の値から求めた2-3配位の存在の割合値を用いて2配位と3配位の構造分離に成功した。また3配位の金属部分と2配位の非金属部分の構造的つながりをはじめて明らかにした。 3.液体In-Te系の比熱を測定し、どのような化合物形成をするかを明らかにした。即ち、低い温度では【In_2】 【Te_3】なる化合物液体を形成するが、高温になると【In_2】 Te+2Teに分解すること、また【In_2】 Teは温度が上昇しても分解しない安定な化合物液体であることが判明した。【In_2】 【Te_3】→【In_2】Te+2Teはまた非金属-金属転移に対応する。 4.液体Se-Te系のSe側の比熱を測定し、液体の状態図を原子構造、電子構造上の見地から見直しをした。
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