研究課題/領域番号 |
60460043
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浜口 博之 東北大, 理学部, 助教授 (20004385)
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研究分担者 |
小山 順二 東北大学, 理学部, 助手 (30125546)
増田 徹 東北大学, 理学部, 助手 (00111245)
森田 裕一 気象庁, 地震火山部, 運輸技官
鈴木 次郎 東北大学, 理学部, 教授 (60004230)
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キーワード | ホットスポット / マントルプルューム / プレートテクトニクス / マントル対流 / ハワイ火山 / ユアマントル境界 / 地球内部構造 |
研究概要 |
1. 昭和60年度の結果をふまえて、引きつづきハワイを含む北西大平洋下の回折SH波を解析した。バンダ海から台湾南方の深発地震9個を北米WWSSNの観測点で記條したデータをもちい、20°N〜70°N,150°E〜180°Eの領域の回折S波の減衰係数からマントル最下部のS波速度勾配を求めた。その結果55°Nを境に南東側でS波速度勾配がー(10〜20)×【10^(-4)】【sec^(-1)】の負,北西側が(-1〜1)×【10^(-4)】【sec^(-1)】のわずかに正又は負の値を得た。前年度の結果と合せると赤道からシベリア東部にかけての北大平洋下のD″層に波長数4kmの不均質性の存在が明かになった。そしてこれらの広い領域下ではD″層は熱境界層になっているものと推定された。 2.Dziwonskii(1984)の下部マントルP波速度3次元不均質データをもらい、萩原の方法によって地球上の5度毎のグリッド点に於てゾーナル成分【{S(^°-n)^2+(C(^°-n))^2}^(1/2)】の値をもとめそのパターンを解析した。低次(n=2)の場合、最大値はハワイ南西及びアフリカ大陸南西域を中心に美しい分布を示す、又下部マントルの慣性モーメントの最大軸も同様な位置にくることが求まった。すなわちこれらの位置はハワイ及びアフリカのホットスポットのごく近傍に中心をもち、傘を広げたようなゾーナルパターンの存在を示すもので、予想されるマントルプルュームの形状とも一致する。 3.以上の結果は前年度の結果を支持するものであり、ハワイ及びアフリカニイラゴンゴの両ホットスポットがペアで存在し、その起源は共通のものがあることを示すもので、ホットスポットの研究に新知見を加えたものといえる。
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