研究課題/領域番号 |
60460073
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 義博 東大, 工学部, 助教授 (50134490)
|
研究分担者 |
中原 優 東京大学, 工学部, 助手 (70134492)
荻原 孝次 東京大学, 工学部, 助手 (30092175)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | 永久磁石 / 推進性能 / MPD / アークジェット / 比推力 / 推進効率 / 放電 |
研究概要 |
高出力の定常作動型MPDアーク推進機の比推力、推進効率の向上を目的とした実験を行った。パルス作動型推進機の場合は、放電々流が10KA以上と大きいため電磁加速が有効に働き、比推力、推進効率共高い。これに対して定常作動型では放電々流2〜3KA以下と低く、自己誘起磁場による電磁加速が期待できないため、外部磁界が必要であり、これまでは電磁コイルを用いてきた。しかしながら電磁コイルに加える励磁エネルギーは推進機全体に加えるエネルギーに対しても相当な割合を占め、また電磁コイルの装着が推進機の重量増加につながっている。電磁コイルに代って永久磁石を用いると推進機の大巾な重量減と共に励磁エネルギーを必要としないため、推進機の性能向上が期待できる。本研究では永久磁石がつくる磁場形状と位置関係の最適化をはかりながら、推力測定を中心とした実験を行った。 本研究で行った永久磁石を用いたMPD推進機の推進性能をまとめると以下のようになる。 1.円錐形状をなす永久磁石を用いることによって、放電室内に末広がり形状の磁気ノズルを実現することができた。この際、永久磁石による推進機重量の増加は推進機全体の7%程度とソレノイドコイルを用いた場合に比べて十分小さくすることができ、当然のことながら励磁電力も不要となった。 2.推進剤にアルゴンを用いた場合は、比推力1000秒で推進効率4.5%という低い推進性能しか得られなかったが、水素を用いた場合には、比推力7700秒で推進効率25%という比較的良好な性能が得られた。 3.永久磁石による外部磁場を印加することによって、比較的推進剤流量が少ない場合でも安定した作動を得ることができた。
|