1.高速有限要素法ソフトウェアの開発;光弾性実験から得られる情報を入力データとして、有限要素法によって内部応力の解析を行うプログラムを開発する。とくに対話性を向上させるため、グラフィック機能をサポートするプリ・ポストとの結合がディスクを介して可能となるようにした。また、パソコン上で大規模問題が取扱えるよう、プログラム構造に工夫を加えた。 2.光弾性像解析用ビデオシステムの開発;光弾性像をテレビカメラで撮影し、この像のパソコンによる画像解析が可能となる様イメージフレームメモリに格納するシステムを開発した。パソコンとは双方向のデータ転送が可能である。また、画像データの平滑化、画像強調などの基本ソフトを開発した。 3.対話型ハイブリッドシステムの開発;有限要素法による計算結果と光弾性実験の結果を容易に比較照合できるよう対話型ハイブリッドシステムを開発した。本システムではまず画像処理システム上で構造物の境界形状を読み取り、座標データに変換する。次にこの境界条件を満足するメッシュ分割を行い、未知荷重境界条件のもとに有限要素解析を行う。計算結果から直ちに等色線縞位置を算出し、画像処理システム上に転送し光弾性像の上に重ねて線画表示する。両者の像の差異は再び計算の境界条件にフィードバックされる。 4.開発システムによる複雑構造物体応力解析;開発したハイブリッドシステムを用い、接触問題及びき裂を含む形状の応力拡大係数の解析を行った。接触問題については、2つの直径の異る円板の接触問題を実施し、荷重分布形状を未知として、上記システムによってこれを推定する試みを行った。これまでのところ、最終解に容易に到達する手法を考案するには到っていないが、2手法の結果の差異を容易に検知できることは確認した。き裂問題については、き裂先端近傍の等色線縞から外捜法によって容易に、しかも精度良く応力拡大係数を評価できる手法を開発した。
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