研究課題/領域番号 |
60460097
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
石橋 彰 佐賀大, 理工学部, 教授 (80037720)
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研究分担者 |
園田 計二 佐賀大学, 理工学部, 助手 (50163142)
穂屋下 茂 佐賀大学, 理工学部, 講師 (70109221)
中島 晃 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (60039295)
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キーワード | 歯車 / トラクションドライブ / 摩擦係数 / 減速機 / 動力伝達効率 / 機械騒音 / 潤滑油 |
研究概要 |
本研究では、減速機において騒音の主原因となっている高速軸の歯をなくしてローラとし、トラクションドライブの出力軸に歯車をつけて、低速軸は歯車駆動とするというハイブリッド型減速機を開発している。実際に設計製作した高性能減速機は、1個の高速駆動ローラで3個の被動ローラを駆動するようにして、駆動力を増している。この3個の被動ローラ軸に3個のはすば歯車を取付けて、そのスラストを有効に利用するとともに、最終出力軸の外歯車を3箇所から5駆動している。ローラには小さなテーパーが与えられ、過大な負荷が作用したときに、すべりによる異常摩耗が生じないように押付力が増加するようにしている(特許出願番号61-223891)。最終駆動軸の歯車を内歯車としたハイブリッド型減速機も開発した(特許出願番号61-223892)。ハイブリッド型減速機の動力伝達能力を大きくするためには、トラクション係数が大きくて、しかも動力損失の少ないトラクション油の開発が必要であるが、今回の試験に用いた合成油(新しい試作油)は、ヘルツ圧が1〜1.3GPa程度でもμmax≒0.1トラクション係数が得られることがわかった。従来の合成トラクション油は、トラクション係数の大きいものは、動力損失も大きかったが、今回の試作油は、動力損失がトラクション係数の小さい鉱油系潤滑油のものと同じように小さく、予想外に良好な結果が得られた。ハイブリッド型減速機の運転性能と接触面などの寿命を調べるために、本年度購入した7.5KWのVSモーターを用いた動力循環式性能試験機を独自に設計製作した。この試験機は、増速または減速で、速比20,2000γpmで約20KWまで試験できる本格的なもの(試験機の床面積、1.5×3.0メートル)である。本年度は、主に旧型の試験機で運転試験を行なったが、前記の本格的試験機は、非常に調子がよいので、来年度に行なう耐久力試験に大いに役立つ。
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