研究課題/領域番号 |
60460112
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河村 逹雄 東大, 生産技術研究所, 教授 (20013097)
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研究分担者 |
松本 隆宇 静岡大学, 工学部, 助教授 (40157368)
北條 準一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70013175)
石井 勝 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40107397)
原島 文雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013116)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 電力系統 / 絶縁設計 / インパルス電圧 / 放電機構 |
研究概要 |
電力系統に発生するサージ電圧に関して、外部の発生源となる自然雷の電流波形について検討するため、落雷に伴う電界・磁界波形を多数実測し、さらにこれまでに公表されている落雷電流波形を整理した。その結果、実際の電撃電流波形の立上り部分は、標準雷インパルス電圧波形のような上に凸の波形ではなく、下に凸であることが判明した。 この結果にもとづいて、実際の雷撃電流波形に近い波形を発性できる回路を考案し、充電電圧200kVのインパルス電圧発生装置を試作した。この装置は非線形回路素子の作用により、下に凸の電圧立上リ波形を発生する。 上記の装置で発生させた非標準雷インパルス電圧波形を棒対平板電極に印加して、イメージコンバータカメラで放電に伴う発光現象を観測し、あわせて50%フラッシオーバ電圧の、標準電圧波形に対するものとの差を求めた。その結果、立上り部分の波形の差はフラッシオーバ電圧に余り影響しないことを、放電機構の面からも明らかにすることができた。 電力系統内部に発生源をもつ開閉サージについては、過渡現象解析装置(TNA)を使用して、波形まで考慮した開閉サージ電圧の発生頻度分布を求めた。また相間開閉サージによる放電機構を支配する。長ギャップ破壊前駆現象における空間電荷分布の時間変化について、ギャップ中に配置した複数のポッケルスローブを用いた光学的測定により、その挙動を解析した。 以上により得られる非標準開閉インパルス電圧波形、ならびにそれらによる気中ギャップのフラッシオーバ特性のデータにもとづいて、送電線の事故率を解析する手法を提案し、推定される事故率について、標準波形を仮定した場合との相違について明らかにした。この結果と非標準雷インパルス電圧に関する検討結果とを合わせて、絶縁設計における極限化に関する見通しを得ることができた。
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