研究概要 |
圧電形振動ジャイロを角速度センサーとして利用するために等価回路による考察を行い、設計指針を明らかにし、基礎的実験も行ってその妥当性も一部実証した。以下、本研究で得られた成果を具体的に述べる。 1.これまで不明であった圧電形振動ジャイロの総合等価回路を示した。 2.その等価回路から、設計指針を明らかにした。即ち、零回転時のヌル電圧に対する入出力間の静電結合の影響とその対策、不平衡・力係数をも考慮した等価回路の体系化とその補償対策並びに具体的な平衡補償回路の提案。Figure of Meritの定義とその設計指針への活用等々。 3.また、振動ジャイロの入力回転角速度【Ω_0】に対する過渡応答について理論的考察も行った。特に、【Ω_0】が正弦的に変化する場合、そのコリオリ力は2つの周波数成分要素をもつことを示した。 4.圧電セラミックス単体で構成される音片ジャイロの駆動検出の電極構成、組合わせなども具体的に明らかにした。 5.Sperry形やWatson形並びに双共振形の音さジャイロの等価機械回路を明らかにし、相互比較や長所短所の検討を行った。 6.単一構造の音さ並びに対称複合構造の音さについて新らしい考察を示し、その設計指針を明らかにした。 7.また、音さ,音片以外の新らしい振動ジャイロの構成について具体的な提案を行い、振動ジャイロとしての実用化の可能性を明らかにした。 8.最後に、圧電形振動ジャイロに関する基礎的実験を行い、直交支持の優位性,LiTa【O_3】音片ジャイロの温度特性の良さ,音片ジャイロの小形・簡素さ,口形ジャイロの実用化の可能性などを実証した。 9.また、本研究により二,三の特許(学長申請)も行った。
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