研究課題/領域番号 |
60460155
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
西林 新蔵 鳥取大, 工学部, 教授 (00032011)
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研究分担者 |
吉野 公 鳥取大学, 工学部, 助手 (40135835)
井上 正一 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10032286)
矢村 潔 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30026257)
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キーワード | アルカリ骨材反応 / コンクリートの耐久性 / コンクリートの劣化 / オートクレーブ / コンクリート部材の耐力 / コンクリート構造物の補修・補強 / ひびわれ |
研究概要 |
従来からコンクリートはその優れた耐久性を活用して、社会・公共・個人の貴重な資産である種々の構造物の主要な材料として賞用されてきた。しかし、最近になって、骨材の低品質化、施工法の分極化、過度の省力化などが原因となって、構造物に本来要求されている耐用期間よりもはるかに短い期間でひびわれ損傷が生ずる例が増大してきている。その一例に従来わが国では皆無とされてきたアルカリ骨材反応によるひびわれ損傷があげられる。この原因としては、良質の河川産骨材の枯渇化伴い種々の岩種の砕石が使用されるようになり それらの中に反応性骨材が存在していたことがあげられる。今後のコンクリート構造物の耐久性を考えれば、事前にこの反応性骨材を識別するとともに この問題に対する対策を講しておくことが重要である。本研究は 反応性骨材およびコンクリートにおけるアルカリ骨材反応の判定試験法とその評価方法を確立するとともに、アルカリ骨材反応の進行の程度とコンクリート部材の静的、動的耐荷力との関係を総合的に検討することによって、この種反応による損傷に対する的確な補修・補強方法の確立はもとより、コンクリート構造物の施工技術や維持管理技術の発展に寄与せんとするものである。 昭和61年度においては、モルタル・コンクリートを対象として反応による膨張に影響を及ぼす種々の要因を採上げその影響の程度を検討すると共に、早期判定試験法の実用化についての性能試験を実施した。一方、アルカリ骨材反応によるひびわれが生じたコンクリートはこの静的・動的耐力を検討するため、静的並びに繰返し載荷試験を実施した。その結果、ひびわれがかなり進展した部材においても静的耐力は殆んど低下せずまた有意な疲労耐力の低下が認められないが、せん的耐力の低下が懸念されることなどが明らかとなった。
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