研究課題/領域番号 |
60460156
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐武 正雄 東北大, 工学部, 教授 (50005188)
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研究分担者 |
新関 茂 東北大学, 工学部, 助手 (30005524)
岸野 佑次 東北大学, 工学部, 助教授 (00005448)
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キーワード | 粒状体 / ステレオロジー / シミュレーション解析 / 粒子間接飾力 / 変形の分散 / 異方性 / 散逸エネルギー |
研究概要 |
昨年度に引続き、粒子レベルのアプローチによる粒状体の変形機構の研究を行った。本年度は、特に、計算機によるシミュレーション解析に基づく研究を進めた。この解析は、昨年度新しく開発した方法によるものであり、昨年度来の検討を通して、粒子レベルの粒状体研究に非常に有効であることが検証されつつある。本年度は、この外、粒状体の変形の適合条件第に関して考察を進めた。解析により得られた主な結果を以下に示すが、最終年度の次年度においては、これらの結果に基づいて、研究をまとめる予定である。 1.購入したディスク装置やXYプロッタを用いることにより、解析の効率が上がり、昨年度に比して、粒子数の多いモデルについてのシミュレーション解析が可能となった。シミュレーションの結果は、2次元光弾性実験などと良い対応を示すことがわかった。特に、接触力の方向が、最大主応力方向に卓越することや、変形に関する統計量の一つとして定義される分散が、応力歪曲線の不連続点において大きな値を示すことなどを追認した。 2.実際の実験においては非常に難しいとされる任意方向載荷を可能とする解析モデルを開発し、応用を試みた。このモデルは、境界の初期形状を円形とし、載荷による境界の変形が楕円形になるように制御を行うものであり、異方的な性質を正しく抽出することを可能とするものである。一つのパッキング状態に対して種々の方向から歪制御の載荷を行った結果、応力比については、方向より60°,体積歪については45°の場合最小値を得た。 3.粒子レベルの統計的な解析は、ステレオロジー的考察を行う上で重要なことであるが、本年度は、特に、散逸エネルギーの微視的な分布の解析を行った。散逸エネルギーに寄与する変形機構は従来から言われているようなマクロな滑りではなく、限定された接触点における粒子回転を含む相対変位に拘っていることがわかった。
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