研究課題/領域番号 |
60460160
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高木 不折 名大, 工学部, 教授 (50023057)
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研究分担者 |
和田 清 名古屋大学, 工学部, 助手 (50191820)
原田 守博 名古屋大学, 工学部, 助手 (40165030)
松林 宇一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80126903)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 雨水流出 / 流域 / 土壌水分 / 地下水 / 流出解析 / ランピング・スケール |
研究概要 |
流域における雨水の流出特性は、種々性質を異とする領域における流れの物理的特性の平均化過程の結果としてわれわれの眼に触れている。 本研究では、微小な流域における各種流れの物理的な諸特性を克明に観測・解析するとともに、複雑な場での諸特性の平均化過程を明らかにすることに焦点を合わせたものである。 本研究でえられた成果は主として以下のとおりである。 1)都市流出の平均化過程:名古屋市庄内川流出試験の資料に基づき、RRL法の持つ移流、貯留特性による平均化構造を検討した。 2)微小試験地での地下水の挙動の評価:濃尾平野東北部に位置する小牧試験地において、降雨量、土壌水分の消長、地下水位の変化状態の観測を約3年余にわたり継続した。その結果、数少ない観測点の資料を基礎として降雨直後に生み出される地下水位の場所的分布状態、そしてそれがどのように時間的場所的に平滑化されるかを、物理的かつ統計的に評価する解析法を提案した。この方法はまた観測の配置計画に指針を与える上でも応用されうる。 3)流域試験地での流出の物理:庄内川の支川域に設けた試験地での水文観測の継続、とりわけ酸素18の分析によって、微小な山地流域では豪雨時の流出の大半が地中よりの流出と河谷ごく近辺の領域からの流出によって涵養されていることを明らかにした。 4)流域における流出特性の平均化:実際の多くの流域についての解折によって、中間流出の特性は流域のもつ地形・地質特性が複雑になるほど流域固有の特性が現われる事実とその平均化プロセスを理論的,実記的に示した。地下水流出についても同様な検討を行ない、流域固有の流出特性を持つ流域持たない流域すなわちランピングスケールを流域面積との関連で分類・評価・検討した。
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