研究概要 |
1.研究の目的 本研究は、複雑な道路環境を整理・純化し、機能的で安全かつ快適な道路環境の整備を目的として、(1)道路の機能特性,沿道特性から総合的な特性を評価する指標の開発,(2)道路区間の特性と交通安全性の関係の把握,(3)交差点における人と車の挙動の把握,(4)アイマークレコーダによる視覚環境と運転者の視点挙動の関係の把握に関する解析を行ったものである。 2.研究成果の概要 (1)道路区間の特性と類型化:道路区間についての14変数から、数量化【III】類分析により2つの総合的評価指標,「走行性能」と「交通処理性能」を抽出して道路区間の総合的な評価方法を開発し、この指標による道路区間の類型化する方法を提案した。 (2)道路区間の危険度評価方法と道路特性との関係:道路区間の交通事故率をベースとして事故率品質管理法による危険度評価法を示し、この方法により分類された危険区間,普通区間,安全区間群を判別する方法及び判別に及ぼす道路区間特性の影響,及び総合的指標と交通安全性の関係について明らかにした。 (3)交差点における人と車の挙動解析:交差点における車の挙動から交通容量を算定し、冬期における交差点交通現象を明らかにするとともに、人と車の相互関係を把握し、交差点安全設計のための資料を提供した。 (4)視覚環境と運転者の視点挙動との関係:道路環境を交差点部,直線部曲線部,駐車車両あり,の4つに分け、アイマークレコーダによる実験及びビデオ画像処理システムの解析を行い、運転者の視点挙動は道路環境の複雑さと関係すること、視点停留時間分布は凝視度k=2のアーラン分布に従うことなどの基本的な特性を明らかにした。
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