研究課題/領域番号 |
60460169
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渋谷 純一 東北大, 工学部, 助手 (70005461)
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研究分担者 |
高橋 純一 東北大学, 工学部, 助手 (90005489)
小川 淳二 東北大学, 工学部, 助教授 (30005508)
柴田 明徳 東北大学, 工学部, 教授 (30005251)
志賀 敏男 東北学院大学, 工学部, 教授 (00005167)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 地震動観測 / 都市地域 / 沖積地盤 / 地盤構造 / 地盤の伝達関数 / 強震地動 / 破壊力特性 / 強度指標 |
研究概要 |
1.仙台地域の各種地盤10地点における地震動観測記録を利用して、各観測点の表層及び第三紀層を含むやや深い地盤構造のモデル化を行ない、地盤構造の特性と地震動特性との関係について検討を行なった。地震動基盤をS波速度1.3km/sの層とする各観測点の地盤構造モデルは、観測記録の1〜2秒程度までの周期特性を良く説明し得ること、地盤構造モデルの伝達関数の自乗積分値は観測記録の振幅特性と良く対応することを明らかにした。 2.上記の地盤構造モデルを用いて、各観測点の1978年宮城県沖地震による強震動を、地盤の非線形性を考慮して推定し、加速度振幅や応答スペクトルの特性に及ぼす地盤構造の影響を検討した。表層の軟弱層が数m程度とうすい場合の強震動の加速度応答スペクトルは、0.3〜0.5秒の短周期域で極めて大きい値を示し、表層の軟弱層が十数mと厚い場合には、0.5〜1秒の周期範囲で大きな値を示すこと、これらのスペクトルの特徴は実際の各種建築物の被害状況とよく対応することを明らかにした。 3.強震動の強度指標として、弾性1質点系の最大応答エネルギーの振動数積分を導入し、上記の推定強震動の強度指標は、地盤が極端に非線形化する場合を除いて、地盤の弾性時の伝達関数の自乗積分に比例すること、従って強震動の強度指標は、地震動基盤における入射波のスペクトル・レベルと地盤の伝達関数から近似的に予測可能となることを明らかにした。 4.推定強震動を用いて構造物モデルの弾塑性応答解析を行い、強震動の強度指標と応答塑性率についての検討から、固有周期及び降伏耐力の等しい構造物の応答塑性率は強震動の強度指標とほゞ比例的な関係となること、従って、都市域内の種々の地盤条件を考慮した強震動の建築物に対する破壊力を、強震動のエネルギー積分に基づく強度指標を媒介として評価し得ることを明らかにした。
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