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1986 年度 実績報告書

高性能火力発電用12クロム耐熱鋼に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60460199
研究機関東京大学

研究代表者

藤田 利夫  東大, 工学部, 教授 (20010746)

研究分担者 小田 克郎  東京大学, 工学部, 助手 (80177229)
朝倉 健太郎  東京大学, 工学部, 助手 (10111460)
柴田 浩司  東京大学, 工学部, 助教授 (90011121)
キーワード12クロム耐熱鋼 / クリープ破断強度 / 偏析 / 熱処理 / タービンロータ / 電顕組織 / 強化機構
研究概要

高強度12Cr耐熱鋼について次のような研究を行った。
1.長時間クリープ破断強度およびクリープ延性に関する研究
(1)12Cr耐熱鋼の550〜650℃の長時間クリープ破断強度におよぼすCr量の影響について研究を行った。0.13C,0.05Si,0.5Mn,0.3Mo,20W,0.2V,0.05Nb,0.05N鋼を基本にしCr量を10〜13%に変化させてクリープ破断試験を行い、11.5%Cr付近がクリープ破断強度が最もすぐれ、またクリープ延性もすぐれていることを見出した。
(2)12Cr耐熱鋼の600〜650℃の長時間クリープ破断強度におよぼすW量の影響について研究を行った。0.12C,11.2Cr,0.8Ni,-0.2V,0.05Nb,0.055N鋼にWを2.2-3.0%添加して650〜700℃でクリープ破断試験を行い650℃,【10^5】hのクリープ破断強度を外挿すると2.6%W付近が最もすぐれている。また常温の靭性値は3%Wでは720℃20h焼もどしでは6.0Kg・m/【cm^2】程度でやや低い。
2.偏析に関する研究
大型ロータ材の外周部と中心部の化学分析を行ったが、ESR(エレクトロスラグ再溶解)溶解と低Si化により、殆んど変わらなかった。従って内外周部の機械的性質は焼入冷却速度による差によると考えられる違いである。
3.強化機構に関する研究
12Cr耐熱鋼の強化機構を電顕観察で調べた。すなわち長時間クリープ破断強度を高めるためには析出炭化物を微細にかつ凝集させないことと同時に長時間にわたって新しい析出物を析出させる必要があることがわかった。また析出物の電解分離を行い炭化物反応について調べると、炭化物反応(【M_3】C→【M_(23)】【C_6】→【M_6】C)をできるだけおくらせることが高温強度の向上には必要であることがわかった。これにはMo添加よりW添加の方が有利である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Toshio Fujita: Metal Progress. 130. 33-40 (1986)

  • [文献書誌] H.Masumoto;M.Sakakibara;T.Takahashi;T.Fujita: Preprint of the 1st International Conf.on Improved Coal-Fired Power Plants. (1986)

  • [文献書誌] 河端良和,藤田利夫: 日本学術振興会第123委員会研究報告. 27. 169-181 (1986)

  • [文献書誌] 劉興陽,藤田利夫: 日本学術振興会第123委員会研究報告. 27. 183-191 (1986)

  • [文献書誌] 朝倉健太郎,劉興陽,藤田利夫: 日本学術振興会第123委員会研究報告. 27. 1-12 (1986)

  • [文献書誌] 朝倉健太郎,藤田利夫: 日本学術振興会第123委員会研究報告. 27. 13-19 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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