研究課題/領域番号 |
60460210
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉田 昭治 新大, 国立大学(その他), 教授 (80018530)
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研究分担者 |
中野 俊郎 新潟大学, 農学部, 助手 (40018544)
長崎 明 新潟大学, 農学部, 教授 (80018514)
佐藤 修 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (00022624)
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キーワード | 地すべり / 地下水 / 間隙水圧 / 安定解析 / 安全率 / 自動観測システム |
研究概要 |
1.松之山町天水越の地すべり地を調査・観測地に選定し、ボーリングユアや傾斜計の観測から、地すべり面が地表から10m前後にあることが分った。 2.地すべり斜面の上、中、下腹部の3ケ所に、すべり面をはさんだ上、下地点の間隙水圧を測定するために、塩ビ管製観測井または間隙水圧計を設置した。観測井のストレーナは測定所定深を含む150cmの範囲のみに設け、観測井外側の埋め戻し部はシール材などを充填し、範囲外の水圧の影響がでないようにした。この観測井内水深を圧力センサーで自動観測した。地表に自噴するほど被圧された下層の間隙水圧測定のためには、間隙水圧計を地中に埋設した。観測結果からこれらの方法が妥当であることが確認できた。 3.交流電源の得られない山間地で長期自動観測するために、バッテリーを電源として、データはICカードに自動集録する自動観測システムを開発して間隙水圧の観測を実施したが、ほぼ成功した。ただ、データが温度の影響を強く受けたので、その補正が必要であるが、これは次年度の課題とする。 4.観測途中で施工された水抜き工によって下層部の間隙水圧は低下するが、上層部のそれがほとんど変化しないことが観測された。これから地すべり地内の地下水は上,下にほぼ平行に層状をなして流動するものと推定された。しかしすべての観測値が相互に関連した変動をすることから、地下水全体は連動しているものと確認できた。水質も上,下層で異なっている。 5.浅層の自由地下水面から静水圧分布するものとして地すべり面の間隙水圧を算定して求めた斜面の安全率と、実測値をもとに推定した間隙水圧を用いて求めた安全率とでは異なったことから、斜面の安定解析には前者の方法は妥当でないものと判断された。 6.来年度は観測を継続するとともに、地下水流動解析を試み、これらを安定解析に活用するなどの研究を行う。
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