研究分担者 |
俵 博之 名古屋大学, プラズマ研究所, 助教授 (90037797)
藤田 順治 名古屋大学, プラズマ研究所, 教授 (50023700)
森田 繁 名古屋大学, プラズマ研究所, 助手 (80174423)
政井 邦昭 名古屋大学, プラズマ研究所, 助手 (80181626)
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研究概要 |
1)Fe【XXII】からのスペクトル線準安定状態の関与するスペクトル線Fe【XXII】の114【A!°】と117【A!°】を、JIPPT-【II】Uトカマクから測定し、強度比がプラズマ中の密度変化に応じて変化する事を観測し、この強度比がプラズマ診断に有用である事を確認した。この強度比は、陽子による基底状態の微細構造レベル間励起が影響を与えている事も解り、逆にこの強度比により陽子のイオン温度も推定できる事が解った。2)O【IV】,O【V】,O【VI】,O【VII】からのスペクトル線上記各イオンの温度依存性をもつ△n=0,△n=1のスペクトル線強度比を測定し、酸素イオンの存在している領域の温度変化を得ることができた。周辺の温度はガスパフにより下るが、中心近くはICRFのために下らず上ることが解った。更に不純物輸送を調べるために解析中である。 3)Tiイオンからのスペクトル線 トカマクから測定されたHe様イオンTi【XXI】からの共鳴線,禁制線,異重項間遷接線及び、Li様サティライト,Be様サティライト等のスペクトルの解析を行った。He様イオン共鳴線とサティライト線の強度比によって温度が得られる。この温度を基にして、スペクトルを理論と測定と比較すると、プラズマの終期では、異重項間遷移線が、測定値が理論値と比較して異常に高い事が解った。この原因をいろいろ検討したが電子衝突による励起,電離,再結合ではとても説明できない強度であり、一つの可能性としてプラズマ中に存在しているNeイオンと、Tiイオンとの電荷移項過程をとり入れてみた。Neガスを混入する実験であったため、Neがプラズマ中に10〜20%混入していると考えられる。イオン-イオン電荷移項断面積を計算してみると、高温では電子による再結合係数よりも電荷移項による再結合係数の方が大きくなり、異常なスペクトルが説明できる事が解った。
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