研究課題/領域番号 |
60460231
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
結晶学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
橋爪 弘雄 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (10011123)
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研究分担者 |
田中 清明 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (00092560)
湊 一郎 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (50114898)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 混晶弗化物 / 薄膜エピタキシー結晶 / X線回析 / 定在波法 / 構造解析 |
研究概要 |
1.X線定在波法による構造解析では定在波の腹面と結晶内原子面の相対的位置関係が重要であるが、この関係は、結晶格子の対称的位置に定義した網平面により簡単に考察できることが分った。すなわち、回析条件が正の側に外れた極限で腹面は網平面の近傍に来るが、対称心をもたない結晶あるいはX線吸収がゼロでない結晶では網平面と厳密に一致しない。このずれを構造因子と吸収に関連する定数で評価する一般式を導いた。 2.基板と膜が異種のヘテロエピタキシャル結晶では基板と膜の格子定数に差があるのが普通である。このような結晶の構造をX線定在波法で解析するのに従来は原子面数が既知で膜厚が異なる2個の試料が必要であったが、1個の試料で構造解析が可能な新しい方法を考案した。この方法は低次と高次の2つのブラッグ反射を用いる。この方法に2個の試料を用いれば、エピ膜の原子面数が定在波実験から決定できる。 3.上記の新しいX線定在波法により、GaAs(111)B面にエピタキシャル成長させた格子準整合CaxSr_<1-χ>F_2(χ=0.43)薄膜の構造を1個の試料から解析した。その結果、界面の(Ca、Sr)原子は7配位であること、界面原子間距離はバルク原子間距離から計算される値より約0.37〓短いことが分った。また、フッ化物膜(厚さ約300〓)は基板との熱膨張係数の差により歪んでおり、(111)格子面間隔が約0.28%収縮していることが分った。フッ化物とGaAsの界面原子構造が7配位であること、格子整合組成を有する混晶薄膜が歪んでいることは、本研究で初めて明らかにされた。
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