研究課題/領域番号 |
60470088
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村井 真二 阪大, 工学部, 助教授 (00029050)
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研究分担者 |
神戸 宣明 大阪大学, 工学部, 助手 (60144432)
三好 徳享 大阪大学, 工学部, 助手 (80157700)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 異原子間結合 / 異元素間結合 / カルボニル化触媒 |
研究概要 |
未来型資源である一酸化炭素は、容易かつ経済的に入手可能な物質であり、その有効利用は、資源問題の観点のみならず、ファインケミカルズ合成の見地からも極めて重要な課題である。これまでにも、一酸化炭素の利用のために種々の遷移金属触媒が開発されてきた。ところが、これらの触媒は、実際にはごく限られた種類の化合物にしか適用できないなど、多くの適用限界をともなっている。本研究は、これらの困難を打開するために、新しい触媒系の設計と開発を行うことを目的として行われたものである。 新触媒の設計にあたり、異原子間結合・異元素間結合に着目し、とくに典型金属元素と遷移金属元素との結合を有する金属錯体を系統的に調査し、また各種モデル化合物を合成した。有機化合物基質中の反応点の活性化の役割を、典型元素が受け持ち、また、有機化合物基質中への一酸化炭素取り込みを遷移金属元素が受け持つような、新しい概念に基づく新触媒系を設計した。 設計指針にそって、多くの異元素間結合を有する錯体について、有機基質との適応性や、一酸化炭素取り込み能力や、触媒活性種の再生過程の付与などについて系統的な検討を加えた。その結果として、典型元素としてケイ素を、遷移金属元素としてコバルトを用いる場合に、目的とする触媒系が成立し新概念の有効性が立証された。 ケイ素とコバルトの組合せを用いる新触媒系では、反応成分とケイ素供給をかねそなえた物質として、ヒドロシランを用いることにより、必要な触媒活性種が継続的に再生されることが明らかになった。この新しい複合錯体系触媒を用いることにより、種々の含酸素化合物へ、一酸化炭素が種々の形で取り込まれることが見出され、一連の新触媒反応を開発することができた。
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